[BOOKデータベースより]
1 霧とは何か(霧の定義;空気は気体状態の水を多量に含んでいる;霧発生のプロセス ほか)
2 暮らしの中の霧(霧と暮らしとの関わり;文学の中の霧;絵画や音楽の中の霧 ほか)
3 霧を科学する―丹沢大山の霧の観測結果―(霧の採取方法;大山の霧の特性;霧雨の寄与 ほか)
4 大気環境の異変を告げる霧
本書は、霧についての科学入門書であることに留まらず、霧に関わる全ての事柄を扱っています。
霧の発生は、大気中の水蒸気が凝結して多数の小さな水滴となることによっていますから、第一章では霧の定義に始まり、水蒸気が水滴に変わるときどんなことが起こっているのか、どのような条件で霧が発生するのか、を詳しく述べています。このような水滴は自然界で現れるだけではありません。多数の小さな水滴を人工的に発生させる噴霧という操作は、日常生活の中で加湿や避暑、あるいは薬剤の散布等、様々な目的で広く行われています。また、霧は交通障害をもたらす一方で美しく幽玄な景観を作り出すことから、絵画、文学、音楽といった芸術作品の中でもよく取り上げられています。
第二章ではこれら霧に関するすべての事柄を広く紹介しています。
第三章では著者らが丹沢大山で行った霧の観測結果と、大気汚染により酸性化した霧の植物への影響、霧と同様に重要であることが明らかになった霧雨について、そして30年余り観測を続けていた間に起こった大気環境の変化について説明しています。
最後の第四章では霧についての今後の科学研究の重要性について述べています。
この本では科学的な事実を紹介するだけでなく、著者が研究を進める中でのこぼれ話や、研究を始めるに至った経緯、研究を進める中で直面した困難や喜び等も、紹介しています。さらに、さまざまな平均値の求め方、単位、pHの定義等の基礎的事項も丁寧に説明しているので、中高生から一般の方までが読める本となっています。
読者には、霧の科学の面白さと自然の恵みと奥深さについて、思いを巡らしていただければと思っています。またこの本が、次の時代を担う若い人たちに環境科学への関心を深める一助となることを、願っています。
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