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[BOOKデータベースより]
BLM運動が糾弾する奴隷制の歴史。アイルランド移民の軌跡を物語る遺骨。欧米の博物館を揺るがすベニン・ブロンズ。「知の脱植民地化」の最前線へ。
第1章 ブリストルのコルストン像、引き倒される!(BLM運動がたぐり寄せる過去;引き倒されたコルストン像 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 骨が語るアイルランド大飢饉(突然の過去;海を渡った移民たち ほか)
第3章 レディ・トラベラーへの旅(レディ・トラベラー;西アフリカを旅したメアリ・キングズリ ほか)
第4章 カリブ海の近代と帝国の未来(イギリス君主制のゆらぎ―女王と「不肖の息子」;スペインのイスパニョーラ島入植 ほか)
第5章 ベニン・ブロンズとは何か?(ベニン・ブロンズとベニン王国;イギリスの愚行とベニン王国の消滅 ほか)
過去につながり、今を問え!
BLM運動が糾弾する奴隷制の歴史。アイルランド移民の軌跡を物語る遺骨。欧米の博物館を揺るがすベニン・ブロンズ。「知の脱植民地化」の最前線へ。
【「はじめに」より】
歴史とは「現在と過去との不断の対話」だと、イギリスの歴史家E・H・カーはいう。問いかける「現在」が変われば、「過去」に対する見方も変わる。その意味で、過去は死なない、なくならない。過去は、現在の出来事や今を生きる人びとの記憶と呼応しながら、ふとした瞬間に顔をのぞかせる。それは、私たちが何かの拍子に、ふと昔の出来事を思い出すのにも似ている。私たちはみな、どこかに過去を抱きながら、今を生きている。だから、過去を考えることは、現在を、未来を、別の角度から見つめることにほかならない。
ただし、「何かの拍子」でどんな過去がいつやって来るのか、予測するのは難しい。だから、問わねばならない。数多の過去の記憶のなかで、なぜ今、唐突に「その記憶」が思い出されたのか。そうやって想起された過去は、今の私に、私たちに、何を伝えようとしているのか。
過去は突然、私たちの眼前に立ち現れる。先が読めないのは、未来だけではない。過去もまた、予測不可能なのである。そして、本書の各章をつないでいるのは、まさにこの感覚――突然の過去、なのである。