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[日販商品データベースより]
非小細胞肺癌のI〜II期とIII期の一部では、外科切除が治療の中心を担っている。周術期に薬物療法を追加することによる治療成績の向上が望まれ、2000年代には日本からUFT、海外からはシスプラチンを含む併用療法の、術後補助化学療法としての有効性が第III相試験で示されてきた。これらの術後補助化学療法を行うことによる効果は限定的であり、さらなる治療開発が望まれてきた。しかし、新規抗がん剤は、進行または再発肺癌での開発が主体であり、周術期の開発がなかなか進んでこなかった。
2020年以降になり、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた術後補助化学療法の有効性が示された。さらには、術前治療においても免疫チェックポイント阻害薬+プラチナ製剤を含む併用療法の有効性が示され、さらには術前および術後に免疫チェックポイント阻害薬を投与することでも、術前同様に有効性が示された。これに伴い、周術期薬物療法の期待は高まり、様々な議論が行われるようになっている。特に術前の免疫チェックポイント阻害薬の導入により、あらためて切除可能の定義について議論する機会も増えている。
また、EGFR遺伝子変異陽性、ALK遺伝子転座陽性の肺癌においては、術後補助療法としてEGFR阻害薬とALK阻害薬が承認された。このため、これらの遺伝子変異・転座が陽性の場合には、術後の分子標的治療薬が選択肢となるため、免疫チェックポイント阻害薬+プラチナ製剤を含む併用療法を術前に行う際には、術前の生検検体を用いて遺伝子検査を行う必要もある。このため、治療前の病理学的評価、遺伝子検査の重要性も増してきており、今後はMRD(molecular residual disease)や全ゲノム解析などの新たなバイオマーカー開発にも期待したい。
近年は、進行肺癌の薬剤開発と並行して、周術期の薬剤開発も進むようになっており、周術期治療の開発はさらに進むことが期待されるとともに、外科医・内科医・放射線治療医・病理医の連携の必要性も今後さらに増してくると考える。
本特集では、最新の臨床試験結果に加え、各エキスパートの経験や施設の取り組みについて、実践的に概説をいただくとともに、将来の周術期治療についても解説している。多診療科での情報共有の一助になることを望む。