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[BOOKデータベースより]
賢治の魂と言葉を北極圏へ連れて行く旅に出た詩人と音楽家が、ほんとうの幸いを探る辺境紀行。
風篇―小島敬太(氷河鼠のフェイクファー 二月七日新宿;四号線を北に行け 二月二十七日ウツヨキ;陰気な郵便脚夫 二月二十七日ウツヨキ、二十八日ヌオルガム;星めぐりの歌 二月二十八日ヌオルガム;ヌオルガムの樺の木 二月二十九日ヌオルガム ほか)
[日販商品データベースより]太陽篇―管啓次郎(太陽と風の土地へ なぜ北にむかうのか;ロヴァニエミへ;湖畔の村、イナリ;なぜかノワールなマイクロバスでウツヨキへ;雪歩き、橇遊び ほか)
エスペラント語で書かれて梵字の捺されたパスポート(旅券)をこの二人は携えている。
地球人がいま銀河系人になる。
――古川日出男
宮沢賢治の〈北〉とフィンランドの〈北〉が、旅なんて可能なのか、と思える時代にあって可能な限り誠実な旅の中でしなやかにつながり、みんなの〈北〉になっていく。
――柴田元幸
『銀河鉄道の夜』起筆100年となる昨年2月、朗読劇『銀河鉄道の夜』の活動を東日本大震災後から続けてきた著者は、「北」へ憧れていた賢治の魂と言葉を、最北の地であるサーミランドに連れて行く旅を決行した。真冬には零下30度にもなる北極圏だ。本書は賢治の詩想を追い求めてきた二人が、北の果てで賢治と向き合った旅の記録である。
先住民のサーミの人々が住み、「サーミランド」と呼ぶ地は、「ラップランド」のことだが、サーミ人は「ラップランド」とは決して言わない。現地の目を通して初めて見えてくる差別意識は、賢治が抱いていた劣等感をも浮かび上がらせる。二人は、サンタクロースの町ロヴァニエミから北へ向かい、フィンランド最北の村に住むサーミの詩人イマさんの自宅を訪ねた。トナカイの肉をごちそうになりながら、生活や思想、文化を直接体験し、さらにサーミの聖地である湖の上で賢治の詩を朗読し、その声を土地に響かせた。近代文明に浸かって無意識的に生きている自らに批判的な眼差しを向け、自然観を大きく揺さぶられながら、生と死、ほんとうの幸い≠フ意味を北の果てで問い続けた旅の終わりに最大の気づきと感動が読者を待ち受けている。
『銀河鉄道の夜』を次の100年に向けて走らせる渾身の書き下ろし!