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[日販商品データベースより]
―――この地域には決して魅力的な景色があるわけではない。多くの人が「何もない」という土地にはしかし、何もない景色があって、私にとっては、明媚な風景よりも自然について、都市的な風景よりも生について強く響いてくる。(作家ステートメントより)
このたび、第25回三木淳賞受賞作である吉江淳『出口の町』をふげん社から刊行します。
本作《出口の町》は、吉江淳が生まれ育ち、現在も生活を営む群馬県太田市を舞台に、三脚に中判・大判のフィルムカメラを据え撮影したものです。本書には、初めて同名の作品を発表した2017年から2024年までに撮影された85点が収録されています。
吉江は、自身の地元を写真を通して、幹線道路から日々様々なものが押し出される「関東平野の吹き溜まり」であり、風光明媚という言葉の対極に位置するような、中途半端で、特徴のない風景として描いています。また、町の外れに流れる利根川は、冬には山から強風が吹きすさび、市街地から流れ込んだ澱や生活排泄物が枯れ草の中から見え隠れする殺風景な場所です。作者はその様子を《出口の町》と表現しました。
「愛着のない地元」の「何もない景色」は、翻って自らの生活を取り巻く自然環境として、どのような絶景よりも強く自身に訴えかける光景でもあります。「風景は自分と切り離された外側」であると作者が語るように、風景と一定の距離を保った透徹したその眼差しは、独自のスタイルで長年撮影を継続する強い意志と、技術力によって下支えされています。