[日販商品データベースより]
怪談は怪異への懐疑という逆境に耐え、鍛えられ、しぶとく生き続けた――。
最も怪談書の流行した18世紀。神秘への感受性はどのように醸成されていったのか。
江戸の怪談を新たに見出し、知られざるその世界を切り開く。
この時代のマイナーな怪談書類を作品論によって掘り起こし、再評価を試みる。またその中で、近世人の怪異観や近世怪談のこれまであまり論じられていない側面、例えば、儒家や神職の怪異観や、被害者意識の希薄な幽霊ばなし、浮世草子から草双紙へと引き継がれた怪談パロディの精神、宣伝素材としての怪談の機能など─に光を当て、近世怪談についての理解を深めていく。
百物語や化物振舞のような怪談イベントを開催し、種々のネットワークを通じてハナシを共有する近世の共同的な怪談文化について明らかにもしていく。
「死」を免れぬ存在である以上、人間は本来超越的な存在を希求する。
いまだ超自然的発想が迷信として撲滅されることも、さまざまな信仰習俗の絶える気配もないのは、人の心がそのような領域を必要としていると見るべきであろう。
神秘への感受性を、宗教の影響は受けながらも、より自由で、豊かに表現できるのが、文学(すなわち近世怪談)の醍醐味ではないか――。
最新の江戸怪談史がここに誕生!
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