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幾何学はいかに宇宙を支配するか
すばる舎 スティーヴ・ネイディス シン・トゥン・ヤウ 辻川信二
点
ニュートンの“古典力学”からアインシュタインの“相対性理論”さらには“量子重力理論”という今後期待される“統一理論”まで。世紀を超えた重力論/宇宙論の躍動・発展のあゆみを一気に概観!
前奏曲 円錐の切り方は一つじゃない第1章 落下する物体、移り変わるパラダイム第2章 「一般」へ至る道すじ第3章 最高傑作第4章 特異すぎる解第5章 その波を追いかけて第6章 全宇宙の方程式第7章 質量問題という問題のかたまり第8章 「統一」への探求後奏曲 真のミステリースポットはどこにある?
チャンスは1970年1月、カリフォルニア大学バークレー校で数学を専攻した大学院1年目におとずれた。……新年度を迎えて一般相対論としばしばよばれる理論の講義を聴講しはじめた。そこで引力として長らく説明されてきた重力が、より正確には幾何学的な効果で、巨大な物体の存在による時空の湾曲または歪みの結果と知り、驚いた。これは私にとって、ある種の啓示のようなものだった。物理学が幾何学とこれほど密接に関係しているとは、まったく気づいていなかったからだ。 (シン=トゥン・ヤウによる「はじめに」より)じつのところ一般相対性理論が実り多きものである証の一つは、一般相対性理論が発表されて1世紀以上たった現在も、物理学者や数学者がその意味を解明しようと理論の新たな一面を見つけては押したり突いたりと探求をつづけている事実だ。この大成功を収めた生産的な理論が、半世紀近くにわたり物理学者からほとんど無視されていた幾何学という数学の一分野を中心にして構築されたことは忘れてはならない。……もちろんこれは数学の驚異的な持続力を物語ってもいる。厳密に証明された数学の定理は、人類史上ほかに類を見ないとはいわないまでも、つねに維持されるという稀有な性質をもっている。……これらの〈公理〉は、ある種のツールであり、その後たとえ数世紀たったとしても再発見されて、もとの考案者が夢にも思わなかったような方法で利用されうるということだ。1900年代初頭に起きた、まさにこの種の「リサイクル」行為こそが、本書の著者二人が語りたい物語の中心にあるものだ。 (前奏曲「円錐の切り方は一つじゃない」より)一般相対性理論の〈場の方程式〉の導出は、こんにちにおいても称賛にあたいする記念碑的な偉業だった。ところがアルベルト・アインシュタインはその勝利の瞬間においてさえ、みずから苦労して考えだした連立非線型偏微分方程式の厳密解を見つけられるか否かに確信がもてず、ほかの人が提示した解のいくつかに対しても懐疑的なままだった。……物理学者ブランドン・カーターは次のように書いている。「アインシュタインの仕事は革命的な意味をもっていたが……彼の本能はむしろ保守的な傾向があった」。 (第4章「特異すぎる解」冒頭より)
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[BOOKデータベースより]
ニュートンの“古典力学”からアインシュタインの“相対性理論”さらには“量子重力理論”という今後期待される“統一理論”まで。世紀を超えた重力論/宇宙論の躍動・発展のあゆみを一気に概観!
前奏曲 円錐の切り方は一つじゃない
[日販商品データベースより]第1章 落下する物体、移り変わるパラダイム
第2章 「一般」へ至る道すじ
第3章 最高傑作
第4章 特異すぎる解
第5章 その波を追いかけて
第6章 全宇宙の方程式
第7章 質量問題という問題のかたまり
第8章 「統一」への探求
後奏曲 真のミステリースポットはどこにある?
チャンスは1970年1月、カリフォルニア大学バークレー校で数学を専攻した大学院1年目におとずれた。……新年度を迎えて一般相対論としばしばよばれる理論の講義を聴講しはじめた。そこで引力として長らく説明されてきた重力が、より正確には幾何学的な効果で、巨大な物体の存在による時空の湾曲または歪みの結果と知り、驚いた。これは私にとって、ある種の啓示のようなものだった。物理学が幾何学とこれほど密接に関係しているとは、まったく気づいていなかったからだ。 (シン=トゥン・ヤウによる「はじめに」より)
じつのところ一般相対性理論が実り多きものである証の一つは、一般相対性理論が発表されて1世紀以上たった現在も、物理学者や数学者がその意味を解明しようと理論の新たな一面を見つけては押したり突いたりと探求をつづけている事実だ。この大成功を収めた生産的な理論が、半世紀近くにわたり物理学者からほとんど無視されていた幾何学という数学の一分野を中心にして構築されたことは忘れてはならない。……もちろんこれは数学の驚異的な持続力を物語ってもいる。厳密に証明された数学の定理は、人類史上ほかに類を見ないとはいわないまでも、つねに維持されるという稀有な性質をもっている。……これらの〈公理〉は、ある種のツールであり、その後たとえ数世紀たったとしても再発見されて、もとの考案者が夢にも思わなかったような方法で利用されうるということだ。1900年代初頭に起きた、まさにこの種の「リサイクル」行為こそが、本書の著者二人が語りたい物語の中心にあるものだ。 (前奏曲「円錐の切り方は一つじゃない」より)
一般相対性理論の〈場の方程式〉の導出は、こんにちにおいても称賛にあたいする記念碑的な偉業だった。ところがアルベルト・アインシュタインはその勝利の瞬間においてさえ、みずから苦労して考えだした連立非線型偏微分方程式の厳密解を見つけられるか否かに確信がもてず、ほかの人が提示した解のいくつかに対しても懐疑的なままだった。……物理学者ブランドン・カーターは次のように書いている。「アインシュタインの仕事は革命的な意味をもっていたが……彼の本能はむしろ保守的な傾向があった」。 (第4章「特異すぎる解」冒頭より)