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描かれる祭礼と語り記される祭礼、いかに切り結ぶか。中世都市京都にとって、祇園会や御霊祭・稲荷祭といった祭礼にはどのような意味があったのか。絵画史料に込められたイメージ情報(表象)と文献史料に残された記録情報(実像)。その双方を読み解き、おのおのの相違点や共通点に注意を払いつつ考察。絵画史料と向き合うにあたっての文献史学の立場を見極め、表象と実像がいかなる関係を切り結びうるかという問題にも迫る。
1 戦国期祇園会のすがたをもとめて(戦国期京都の祇園会と絵画史料―初期洛中洛外図を中心に;祇園少将井御旅所と神子;室町・戦国期京都における公家衆・衆庶の祇園会見物について;足利義輝の祇園会見物について―天文十七年六月十四日をめぐって;祇園会見霰天神山について―「永正年中」の「霰」をめぐって)
2 室町期祇園会のすがたをもとめて(室町期祇園会における船と定鉾について―室町期祇園会のすがたをもとめて;中世の山口祇園会と京都祇園会―大内氏の在京をめぐって;『月次祭礼図〓風(摸本)』に描かれた室町期祇園会)
3 御霊祭・稲荷祭の戦国期(戦国・豊臣政権期京都の御霊祭―文禄五年を中心に;戦国期稲荷祭に関する二、三の問題―大永八年の稲荷・東福寺喧嘩をめぐって;元亀四年の稲荷祭―「御鬮」を取る)
4 都市祭礼の周縁人(十六世紀京都の風流踊にみえる二人の人物像について―初期洛中洛外図を中心に;新在家声聞師について;文禄年間の「唱門師払」について)
〈描かれる祭礼〉と〈語り記される祭礼〉、いかに切り結ぶか――。
中世都市京都にとって、祇園会や御霊祭・稲荷祭といった祭礼にはどのような意味があったのか。
絵画史料に込められたイメージ情報(表象)と文献史料に残された記録情報(実像)。その双方を読み解き、おのおのの相違点や共通点に注意を払いつつ考察。
絵画史料と向き合うにあたっての文献史学の立場を見極め、表象と実像がいかなる関係を切り結びうるかという問題にも迫る!
【目 次】
序にかえて
T 戦国期祇園会のすがたをもとめて
第一章 戦国期京都の祇園会と絵画史料――初期洛中洛外図を中心に――
第二章 祇園少将井御旅所と神子
第三章 室町・戦国期京都における公家衆・衆庶の祇園会見物について
第四章 足利義輝の祇園会見物について――天文十七年六月十四日をめぐって――
補 論 祇園会霰天神山について――「永正年中」の「霰」をめぐって――
U 室町期祇園会のすがたをもとめて
第五章 室町期祇園会における船と定鉾について――室町期祇園会のすがたをもとめて――
第六章 中世の山口祇園会と京都祇園会――大内氏の在京をめぐって――
第七章 『月次祭礼図屏風(模本)』に描かれた室町期祇園会
V 御霊祭・稲荷祭の戦国期
第八章 戦国・豊臣政権期京都の御霊祭――文禄五年を中心に――
第九章 戦国期稲荷祭に関する二、三の問題――大永八年の稲荷・東福寺喧嘩をめぐって――
補 論 「神輿に立つ矢」について
第十章 元亀四年の稲荷祭――「御鬮」を取る――
W 都市祭礼の周縁人
第十一章 十六世紀京都の風流踊にみえる二人の人物像について――初期洛中洛外図を中心に――
第十二章 新在家声聞師について
第十三章 文禄年間の「唱門師払」について
補 論 文禄三年三月十三日 京都四条坊門通高倉と万里小路間之町月行事弥七・久蔵連署請文――文禄年間の「唱門師払」に関する一史料――
終にかえて
成稿・原題一覧
あとがき
索 引
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