- 対人支援に活かす ネガティブ・ケイパビリティ
-
- 価格
- 2,200円(本体2,000円+税)
- 発行年月
- 2024年06月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784800592347
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 生成AIで変わる障害者支援の新しい形ソーシャルワーク4.0
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2025年03月発売】
- 誰のためのアクセシビリティ? 障害のある人の経験と文化から考える
-
価格:2,200円(本体2,000円+税)
【2024年07月発売】
- ひきこもり者支援の考え方・進め方
-
価格:2,090円(本体1,900円+税)
【2025年03月発売】
- 海外ルーツの子ども支援
-
価格:2,200円(本体2,000円+税)
【2021年05月発売】
- 貧困に対する支援
-
価格:2,640円(本体2,400円+税)
【2022年05月発売】
[BOOKデータベースより]
ネガティブ・ケイパビリティとは「性急に答えを求めずに、不確かさや、疑念の中に留まっていられる能力」「自分の枠組みを外して他者を理解しようとする共感的想像力」。曖昧さを受け入れてこそ、人の本質が見えてくる。「わかったつもり」が人の理解を妨げ、身勝手な「よかれのひと言」になる。対人支援はもちろん、組織開発、リーダーシップ、教育など広く人とかかわる仕事に不可欠な力。
第1章 さまざまな分野でのネガティブ・ケイパビリティ
[日販商品データベースより]第2章 ネガティブ・ケイパビリティが必要になっている時代背景
第3章 対人支援とネガティブ・ケイパビリティ
第4章 対人支援場面におけるネガティブ・ケイパビリティの発揮
第5章 対人支援職エキスパート10人のインタビューから見えるネガティブ・ケイパビリティ
第6章 対人支援職の中のネガティブ・ケイパビリティ(第5章のインタビューのまとめとして)
第7章 ネガティブ・ケイパビリティを身につけるための研修とその結果(対象:キャリアコンサルタント)
ネガティブ・ケイパビリティは、人間の能力や創造性の一環として、未知の状況や矛盾した感情、曖昧さ、不確実性に直面し、それらを受け入れる能力を指す。これは、固定された思考パターンや既存の概念やルールにとらわれることなく、新たなアイデアや洞察を生み出すために必要な能力である。
ネガティブ・ケイパビリティを持つ人は、矛盾や不確実性に対して耐えることができ、それを創造的な可能性として捉えることができる。彼らは自分の意識を開放し、複数の視点や相反する考えを同時に受け入れることができるため、より深い洞察や理解に至ることができる。
対人支援の現場にはいくつもの曖昧さや葛藤がある。代表的なものをあげると、
・相談者、クライエント、患者など支援を受ける側の人(以下、相談者)を取り巻く、時に相談者と利益相反する関係者の存在
・相談者(の可能性)に対する信頼と懐疑
・相談者の固有性と類型化による見(診)立て
そして、もっとも悩ましいのが、支援者の万能感(いつでも相談者の役に立てる存在でありたい)の保持と、無力感(役に立てないことがある自分)の受容である。言うまでもなく、1人の相談者であっても、すべての側面で長期にわたり(極端に言えば亡くなるまで)支援することはムリである。対人支援には物理的な限定性があるし、1人ですべてを担うのは難しい。にもかかわらず、それをしようとするのは、相談者に対して不誠実である。支援者は自分の支援の限界を受け入れながらも、できるだけ役に立とうと努力し続けるのである。
しかし、そもそも人はすぐに感じていること、考えていることをありのままに表現することは少ない。見方には、いくつものバイアスがかかっている。鵜呑みにすることは、漏れなく何らかの色のついたメガネをかけているのである。
ネガティブ・ケイパビリティとは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中に留まり続けることができる能力」である。