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[BOOKデータベースより]
「先生」とは何者なのか、百年を経て解き明かされる物語の真。
序章 「漱石コード」について
[日販商品データベースより]第1章 静の特色 婚約は「極りが悪い」
第2章 「私」の恋と直覚
第3章 先生の嘘 偽善こそ罪
第4章 Kの復讐を証言しないM、反解による誤読
第5章 殉死は無論笑談
第6章 泥棒団事件と金之助
第7章 文学の大目的と戦争の評価
緻密に作られた作品だからこそ、緻密に読めば読み解ける。
夏目漱石(1867-1916年)の後期三部作のひとつとして名高い『こころ』(1914年刊。あとの二作は『彼岸過迄』『行人』)は、まさにそうした作品であることを解き明かしていく一冊。
通常、『こころ』は、「人間の葛藤とエゴイズム」を描いた名作、あるいは明治天皇の崩御と乃木大将の「殉死」と呼応する作品として文学史に登場するが、著者はその双方に疑問を突きつける。
著者は、漱石自らが著した『文学論』に立脚しつつ、作中で使われた言葉の表現や会話のやりとりに注目する。すると、〈実際に場面として展開していること〉と、それが〈作品全体としてなんのために行われているのか〉に意図的なズレがあることがわかってくる。そしてそれを手がかりに「作品の真」へと迫っていく。
「葛藤している人物/エゴイズムに苦しむ人物」ように見える「先生」は、ほんとうにそのような人物なのか。ある意味「残酷」な読み解きによって、「先生」が何を隠していたのか、先生の死(「殉死」とされる死)とはなんだったのか、これまでにない解釈を提示する。
文学史上不朽の名作とされる『こころ』が、一般の読者にとってもなぜ名作たりえるのか、漱石の小説創作の巧みさとともに明白にしていくスリリングな一冊でもある。