[BOOKデータベースより]
半導体(b)+量子(q)=次世代計算基盤で日本経済は再び成長する。キーマン中のキーマンが提言、「半導体再生戦略」。なぜいま、2ナノ半導体なのか?
第1章 日本半導体「失敗の本質」(私的・半導体摩擦体験;半導体の誕生 ほか)
第2章 ラピダスの勝算(「日本がいまさら半導体?」;ラピダスとは何か ほか)
第3章 半導体戦略としての「生産性革命」(『100年予測』との出会い;「歴史は循環している」 ほか)
第4章 半導体戦略がめざす「次世代計算基盤」(非ノイマン型半導体の衝撃;計算需要の爆発 ほか)
第5章 近未来を担う「量子」と半導体戦略(量子技術が開放されるとき;一発で解が出る ほか)
−−半導体業界「キーマン中のキーマン」が提言する「日本再生戦略」。日本経済がしくじり体質から脱却し、復活するかどうかは「最先端半導体」にかかっている!−−
世界ではいま、半導体がかつてないほど熱い=B
1つは、新型コロナウイルス感染症によって半導体の製造と供給が一時大きく滞り、世界経済に大きな影響を与えたこと。もう1つは、半導体をめぐる米中関係の緊張の高まりだ。「台湾有事」の可能性も取り沙汰されるようになった。
いま世界中のあちこちで、自国に半導体製造工場を誘致しようとする「国産化」の動きが起きている。
私はJSRに1981年に入社した。JSRは、半導体のシリコンウェーハに塗布するフォトレジストで世界トップクラスのシェアを持つ。2009年から社長、会長として計11年ほど企業経営にかかわった。2023年に名誉会長を退任するまで、40年超にわたって半導体業界を現場の視点からつぶさに見てきたつもりだ。そうした経験から、「最先端半導体の開発と製造を日本国内で再び行うべきだ」と考えている。
いまや世界を牛耳るGAFAMはインターネット産業で大きく成長し、その後、AIが次の波になると見るや、素早く自社のサービスに取り入れることでさらなる強大なパワーを手にしてきた。それによってGAFAMが本拠地を置く米国が、世界の覇権を握ってきた。
それを支えたのは「コンピューテーション(計算基盤)」であり、もっといえば、コンピューテーションの基盤となる半導体にほかならない。すなわち、半導体は企業の力の元であり、国の力を支える基幹産業なのだ。半導体の復活なくして、日本の未来が明るくなることはない。
ここにきて「日の丸半導体、復活か」と思われる動きが相次いでいる。TSMCによる熊本新工場の建設、先端半導体の国産化に向けた新会社Rapidus(ラピダス)の設立――。
ただ、こうした「半導体の喧騒」を冷めた目で見ている人も多い。
「失われた30年の間に、技術力も技術者もなくなった。工場だけ建てたところで、そう簡単につくれるはずがない」
こういった批判の声は、私の耳にも直接入ってくる。一理ある意見もあるが、それでも日本は国産化へまっしぐらに突き進むべきだという私の考えはいささかも揺るがない。なぜなら、そこには勝算があるからだ。(「はじめに」より抜粋)
【この本でわかること】
□なぜ半導体が注目されるようになったのか
□背景にある世界を巻き込む事情とは何か
□その中にあって、日本はどう進むべきか
□半導体開発競争の先にある未来のテクノロジーとは何か
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