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[BOOKデータベースより]
本書は1914年に発刊されたが、本格的な民俗書として好評を博し増刷を重ねた。これは、複雑な李朝社会の状況を丹念な実地調査と研究・分析したことが、官界・学界はもとより朝鮮人識者たちからもひろく受け入れられたからである。(むすび)から。
第1編 朝鮮の社会構造と身分制度(朝鮮人の美風;朝鮮の社会階級;朝鮮の奴婢 ほか)
[日販商品データベースより]第2編 朝鮮の風俗(朝鮮の冠礼婚礼;朝鮮の葬儀;朝鮮の祭式 ほか)
第3編 朝鮮の迷信と宗教(朝鮮人の迷信及び宗教;墓地に関する迷信及び弊害;朝鮮人の夢占いについて ほか)
日本と韓国は戦後八十年も経とうとしているのに、今なお多くの「葛藤」を抱えている。最近は新しい韓国文化も入り若者中心にお互いに交流するようになったが、政権が代ったり歴史問題に発展すると、葛藤と対立の中から抜け出せなくなってしまうことがしばしばある。直接的には「韓国併合」(1910−1945)に原因があるとはいえ、この「葛藤」の底辺には、長い歴史が培った「生」の営みや生活意識に対する双方の理解の不足が横たわっているのではないだろうかと思う。
日本人の生活意識の多くは江戸時代の侍文化(及びそれを再編成した明治維新)に培われたといっても過言ではない。そしてその社会を支える経済システムは、封建制度による地方経済であり、同時に商人経済でもあった。言い換えれば、時々政治家が発する「美しき日本」とは江戸社会の近代版であるともいえる。
その視点で韓国を見ると、韓国人の生活意識の基底は(李氏)朝鮮時代にあるだろう。朝鮮時代は儒教に支えられた王権と両班文化であり、経済含め全てが中央集中型で、また徹底した身分階級制度の社会であった。この違いは両者の生活意識や思考方式に大きな影響を与えた。
その辺りの「生」の情景が、この『朝鮮風俗集』に描かれている。本書は、当時の朝鮮総督府の警察官吏であった今村輔(イマムラ トモ。略歴は巻末参照)が、明治末期から大正初期にかけて調査し研究したものをまとめたものである。