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[日販商品データベースより]
ヘーゲルの主著『精神現象学』(1807)は難解なことに加え,その後のヘーゲル自身の思索の展開や体系との関連から不完全な著作と言われることもある。本書は,ヘーゲル哲学体系の中に『精神現象学』を位置付けながら,「「学」としての哲学の歴史的生成と正当化」というモチーフのもとに包括的に解釈した本格的業績である。
ここでは『精神現象学』を,意識の経験という「方法論」,意識の諸形式による「理論構成論」,そして『現象学』の形成とその後の展開を結ぶ「思想形成史」の3つの観点から考察する。
第1部は思想形成史のアプローチから,初期イェーナ時代(1801?02頃)の講義草稿,著作に基づいて『精神現象学』の根本モチーフへ繋がる絶対的な体系をどのように始めるべきか,「「学」の端緒」構想の発展史的起源を探る。
次に第2部において『精神現象学』の方法論と理論構成論を考察し,この著作全体が内在的に一貫した一つの過程であることを明らかにしていく。
そして第3部では自己意識章,宗教章,絶対知章の具体的な章に注目し,それらの運動過程を分析する。
第4部では,『精神現象学』における「学」の正当化がもたらしたものは何かを問う。「学の体系,第一部」とヘーゲル自身によって名付けられた『精神現象学』が,刊行後なぜ撤回されることになったのか? また「学」の成立に巻き込まれる意識/精神の運動を観望する〈我々〉とは何か?
本書は『精神現象学』で展開されるヘーゲルの思考の運動とその全体像を捉える意欲作である。