この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 「無印のカレー」はなぜ売れたのか? 食品ビジネスで成功する思考(フィロソフィー)と仕組み
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2025年02月発売】
- 最新食品業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本 第6版
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2024年12月発売】
- こんなに面白い!日本の化学産業
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2024年05月発売】
- カラー図解でわかるジェット旅客機の秘密 改訂版
-
価格:1,100円(本体1,000円+税)
【2019年06月発売】
- 新時代の移動革命!MaaSがよくわかる本
-
価格:1,100円(本体1,000円+税)
【2022年04月発売】
[BOOKデータベースより]
第1章 排水処理の必要性と排水基準
[日販商品データベースより]第2章 物理化学的な処理プロセス―その特徴と原理
第3章 生物学的な処理プロセス―その特徴と原理
第4章 各食品工場排水の水質と処理例、および計画時の配慮
第5章 排水処理施設の運用とメンテナンス
第6章 排水処理と臭気
第7章 処理コストと汚泥の処理、処分
筆者が排水処理に携わり始めたのは、50 年前である。当時は高度経済成長に伴って河川等の水質が著しく悪化し、良好な水源の確保や健康被害も問題になっていた。その改善を図るべく国は廃水処理に様々な法律と規制をかけると共に、下水処理の整備と廃水処理の設置を義務付け、多くの投資が行われてきた。1990 年代までは海外からの多くの技術導入も含めて、水処理プロセスの開発や実用化が行われ、技術者にとっても多くの知識や経験を得た時期でもあった。しかし、今や多くの廃水処理施設や下水処理施設が整備され、排水処理は維持管理を主とした時代に突入した。私は数年前から食品工場の排水処理に再び携わるようになって、排水処理の知識や技術の継承が大きな課題になりつつあることに改めて気づかされた。
一方、食品工場関係では食生活や流通も大きく変わりつつある。このため、衛生・安全管理の徹底と新たな製品の開発と改良、生産工程の見直しや新設工場の設置等が行われている。これに伴い排水処理設備の見直し、改善、新設などが相変わらず多く求められている。他方、河川放流等の排水規制がより厳しくなると共に、より小規模の食品工場排水に対しても排水処理適用が広がってきた。下水道整備が進んだことから、河川放流から下水道放流への切り替えや、節水対策から排水量の削減なども増えてきている。こうした状況下で、工場や企業で排水処理に携わる人々のみならず、処理設備を提供する側においても排水処理を学ぶ機会が少なくなり、また、学び直すための書籍等も限られていた。特に食品工場排水処理では有機性の排水が多くを占めることから、生物処理が中心となる。しかし、生物処理には多くの処理プロセスがあり、何が最適なのか、評価、選定がわかりにくいところも多々あった。
本書では、こうした点を鑑み、食品工場における排水処理設備について、工場の責任者や担当者、および設備を計画・納入する担当者にも参考になるように記述した。具体的には、処理の必要性と排水基準、必要な提出書類、排水処理を構成する設備の機能と要件、具体的な実施例、排水処理設備の点検・維持管理、トラブル対策、臭気対策、余剰汚泥の処理・処分等、排水処理全般について記載した。なかでも、生物処理については、様々な処理プロセスが提供されていることから、その基本的な原理も含め、特徴と利点、難点、適用性等についてかなりのページを割いた。
この本が、食品工場の排水処理に携わる人々において少しでも役立ち、排水処理の楽しさと面白さを知っていただけると共に、環境を良くするための社会的責任も共有していただけることを切に願っております。