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[日販商品データベースより]
動物や植物が表す生物現象は、実に多面的である。その中で、動物細胞も植物細胞も電子顕微鏡で観察すると、それらの微細構造は極めて似ている。そのような事実から、動物細胞も植物細胞も基本的には同じで、使いやすい動物や植物を研究対象として使えばよいという立場がある。その一方で、発生学が扱う分野では、動物細胞と植物細胞は全く異なることが明らかになってきた。動物細胞は受精後、細胞分裂を繰り返すが、ある程度細胞分裂を繰り返した後には、もう元の状態には戻れないという分化が起こる。一方、植物細胞はいったん分化した後でも、細胞壁を酵素で溶解して裸の原形質体にした後、適当な培地に置くと数日で細胞壁を合成して、1カ月後くらいには芽生えと根に分化をして花を咲かせることができる。すなわち、植物細胞はどのような細胞にもなれる全能性という性質を持っている。動物細胞でも、受精後4,6日以内に受精卵の一部を取り出して特殊な培養液で培養すると胎盤以外の全ての細胞に分化しうる能力を持ったES細胞と呼ばれる多能性の性質を持った細胞になる。山中伸弥を中心とする研究グループは、すでに皮膚の細胞に分化した細胞に4種類の遺伝子を導入すると、ES細胞と同じような性質を持った多能性の細胞になることを発見しiPS細胞と名付けた。本書では、このES細胞とiPS細胞の初歩的な事柄について述べる。本書では、さらに前書『細胞膜の界面化学』(学術研究出版、2020年)で取り上げた問題に関してやや異なる観点から論じ、生命の起源についても取り上げた。