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[BOOKデータベースより]
定年後やりたいことを、38キロラブとの7年間。
第1章 相棒チッパーとの一日
[日販商品データベースより]第2章 定年後、盲導犬飼育でお役にたちたい
第3章 チッパー対面まで長い道のり
第4章 初めまして、チッパー
第5章 相棒チッパーの初仕事
第6章 1頭だけ盲導犬になりました
第7章 チッパーとの生活で変わったこと
第8章 盲導犬をもっと理解して
追章 まさかの暗転
盲導犬繁殖犬って知っていますか? 盲導犬の母親・父親になる犬です。サラリーマンだった著者は定年を機に「大好きな犬を飼いたい」「社会貢献につながることを」と(公財)日本盲導犬協会に出向き、盲導犬繁殖犬飼育ボランティアを引き受ける。飼育に備えた訓練を受けた後、1歳のオスのラブラドールレトリバーと対面する。<ぬいぐるみを地面に置くと、弾けるように走り出しました。全身で喜びを表し、尻尾を思い切り振って駆け寄ってきます。チッパーでした>
血統の多様性確保のためアメリカから来たチッパーは、この時すでに体重20`(現在38`)。根は素直で良いヤツだが、筋肉質で元気すぎる個性の持ち主で、リードを引きちぎり、ネコや野鳥に突進する。飼育2年目には繁殖の仕事が入り最初に8匹の子犬が産まれた。〈8つの小さな黒い塊がモゾモゾ、ヨタヨタと動き出しました。彼の赤ちゃんたちです。かわいい!〉。でも2回の繁殖で生まれた17匹のうち盲導犬になれたのは1匹だけ(確率的には5匹前後)。そんなことで次の繁殖のお呼びがかからなくなった“落ちこぼれ”チッパーに、筆者はエリート街道を歩けなかったのはオレと同じと限りない親近感を覚える。相棒との7年余の豊かな時間…早朝ジョギングなど朝夕の散歩で一日約2万歩、脚力はアップし腹回りは5aも減った。何より夫婦で役割分担しながら飼育課題に取り組むことで家庭内も安定、妻からは「チッパーがいなければどうなっていたかしら。チッパーさまさまね」と言われている。
そんな順風満帆な生活の報告のはずが、“まさかの暗転”に襲われる。人生、何が起きるか分からないものですね。
目の不自由な人を道案内する盲導犬は優れた血統の犬たちだが、その個性は実にさまざまでヤンチャ過ぎるチッパーはその一例だ。盲導犬候補の子犬(パピー)のうち、適性が認められて盲導犬になれるのは約3割しかいない。残りの7割は“ダメ犬”ではなくて、たまたま適性が合わなかっただけ。盲導犬育成は多くの善意で支えられている。盲導犬候補の子犬を自宅で育てるパピーウォーカー、盲導犬になれなかった犬を飼うキャリアチェンジ犬飼育ボランティア、引退した盲導犬の余生を見守る引退犬飼育ボランティア、そして盲導犬繁殖犬飼育ボランティアなどだ。国内では11団体が盲導犬を育成していて計850頭が活躍している。しかし、視覚障害者31万人のうち盲導犬を希望したりその可能性がある人は約3000人、まったく足りていない。人口100万人当たりの盲導犬頭数はイギリス60頭、オーストラリア39頭、アメリカ30頭などに対して日本は7頭弱にすぎない。さらに法律で公共の場での盲導犬同伴が認められているにもかかわらず、毎年、盲導犬ユーザーの半数近くが「受け入れ拒否された」としている。こうした数字は大切だが、それ以上に著者の大変な中でも喜びいっぱいな飼育体験によって「盲導犬ワールド」が広がっていくはずです。