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[BOOKデータベースより]
漢字文化圏における威信言語と民族語の葛藤。地政学の泰斗マッキンダーの言う「世界島」の東辺は、威信言語である漢語漢文が支配する世界であった。周辺諸民族は中国から漢字を学び、それぞれの文化と制度を発展させた。例えば鮮卑や契丹、あるいは朝鮮や越南、そして島嶼部の倭と琉球であった。それらの民族の言語と威信言語との葛藤は避けられなかったし、漢化受容派と民族派との対立もあった。本書では中国正史などの史書に即してその葛藤の様相を見た。この葛藤の中でも史書は漢文で書かれるべきものであったが、民族語と民族文字で書かれた史書としていち早く成立したのは『栄花物語』であり、東アジア漢文世界で画期的であった。併せて、「国語」の語の来歴を鮮卑族まで遡り、民族語の矜恃を示す言葉であることを確認した。加えて、古代中国に由来する「国人」の語の変転を辿り、また前漢儒教に発する「列女伝」の展開が『大日本史』北条政子伝に至る意義をも考えた。
序説 母語・民族語・威信言語
[日販商品データベースより]1 国語と国人(国語前の「国語」;遼史の語「国人」をめぐって;朝鮮史書と六国史の「国人」)
2 栄花物語成立前史小考(中華周辺民族語の運命と歴史叙述;平安朝の言語革命と土左日記)
3 東アジアにおける列女伝の展開(劉向列女伝の女性像;遼史列女伝の賢女と烈女;脱脱と金史・宗史の列女伝;高麗史の烈女たち;大日本史列女伝の北條政子像)
4 大越史記全書の趙越王記事を読む(大越史記全書の李帝越王紀;中国正史と大越史記全書;正史の越南記事;英雄の力の秘密と女性)
史書は漢文で書かれるべき漢字文化圏にあって、威信言語と民族語の葛藤の中で、民族文字で書かれた史書『栄花物語』が出現する意義を、地政学的な視点を加えて探る。広い時空の射程と多様な視座で史書を論じる試み。