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[BOOKデータベースより]
自由なる思考を求めて。言語と存在の可能性を究極まで追究した井筒俊彦の言語哲学を解きほぐす。世界の豊饒さを取り戻すために―
第1章 記憶の彼方の言葉―『言語と呪術』とクルアーンの詩学(言葉が魔力を発動するとき;感情喚起の仕組み;意味は経験を実体化する;像はいかに喚起されるのか;存在の夜の密語)
[日販商品データベースより]第2章 存在の夜の黎明―意味分析論の行方(言語と文化―「イスラーム三部作」;発話の現場に降り立つ;和歌の織り成す意味連関;クルアーンの意味世界;存在の夜の黎明;ソシュールとベルクソン―バロール−コトバ−suppositio;垂直的なコミュニケーション)
第3章 生々流転する世界―「存在が花する」のメタ哲学へ向けて(『スーフィズムと老荘思想』の理念―「哲学と世界共同体」とエラノス会議;イブン・アラビーの「新たな創造」―時々刻々と変容する存在;自己顕現と意味化のプロセス;「存在」のメタ的操作;「存在が花する」のメタ哲学に向けて)
第4章 存在零度の「眺め」―本質主義を解体する存在の哲学(『意識と本質』をどう読むか;「存在一性」―共時的構造の基礎;東洋の本質論と流出論;善の絶対無とその言語化;「眺め」の技法―『新古今和歌集』の形而上学)
第5章 世界と対話する哲学―自由なる思考を求めて(アンチコスモスの創造性;文化と言語アラヤ識;東洋思想の脱構築;非連続の世界;意味の継承;自由なる思考を求めて)
言語の不可能性を乗り越え、自由の思想を追究した井筒俊彦。
自己と他者、自文化と異文化の「世界観」を架橋するために、「対話の哲学」を築いた軌跡を辿る。
井筒俊彦は英文による最初の著作『言語と呪術』(1956年)で言語思想を彫琢し、それをその後の著述活動では、一貫して「自由」を求める思想として発展していった。井筒は、詩的直観を哲学の言葉で再現し、言語の限界を切り開き、囚われなき自在な心を求める。それを理解する手掛かりとなるのが、『言語と呪術』である(本書第一章)。
『言語と呪術』の執筆以降、井筒は、「世界の経験」をあるがままに言語で表現しようとする思想を、古代の詩歌やクルアーン、東洋の古典思想に見出し、それらが提示する「世界観」を類型化し、対話させることを目指した。この「東洋思想の共時的構造化」の軌跡を、『言語と呪術』『スーフィズムと老荘思想』『意識と本質』等の代表作を読み解くことで辿り、その一貫した追究において、井筒が、「言語とアイデンティティ」「文化の均一化」という同時代の問題に対して、相対主義と本質主義を超克する〈自由なる思考〉を紡いだことを明らかにする。