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[BOOKデータベースより]
第1章 はじめに(数理思考とは;抽象化と自動化 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 準備編:プログラミングの基礎知識(変数と代入;反復処理 ほか)
第3章 問題解決事例演習(良い組み合わせを求める;売上を最大にしたい ほか)
第4章 情報の表現とテキストデータの処理(情報表現の任意性;文字情報の表現 ほか)
付録A 情報数学の基本用語(集合;写像)
本書は「コンピュテーショナル・シンキング」の名で呼ばれる思考スタイルを、身近な例題を題材にして体験的に学習できる演習書。コンピュテーショナル・シンキングの概要、および多くのプログラミング言語に共通する基本的な概念の理解から始めて、初等的な例題による演習を通して基本スタイルを習得できるよう、実践的な構成になっている。
コンピュテーショナル・シンキングをひとことでいうならば「計算機科学の流儀で考えて問題を解決すること」であるが、computational thinking (CT)の片仮名表記の外来語に対して和文術語の創出が模索された形跡は見つからない。そこで、訳語が原義を裏切らないよう配慮したうえで「数理思考」と意訳して書名としている。
コンピュテーショナル・シンキング教育の中心は「抽象化」と「自動化」のスキル養成にある。日常の問題を抽象化し数理的モデルを構築し、そのモデルに基づいて問題解決のアルゴリズムを記述する過程を重視する。ただし、コンピュテーショナル・シンキング教育の目的はプログラミング言語での実装ではなく、抽象的な思考力の涵養である。
コンピューテショナル・シンキングは、知識基盤社会の発展に伴い、専門分野を問わず万人に必須のスキルとなった。時代の要請にこたえるものとして、多くの方にとって役立つものとなるだろう。
なお本書は、筆者らが先に出版した『コンピュテーショナル・シンキング』(共立出版、2016)を下敷きとする。前著に寄せられた意見を踏まえ、さらにデータサイエンスの文脈におくものとして内容を再吟味し、全体を鍛え直したものである。