- なぜ私たちは存在するのか
-
ウイルスがつなぐ生物の世界
PHP新書 1349
- 価格
- 1,100円(本体1,000円+税)
- 発行年月
- 2023年04月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784569854182
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[BOOKデータベースより]
ウイルス学者は、ウイルスを作り出すことができる。ウイルスのDNAをプラスミドというDNAに入れて、増殖させるのである。あくまで物質であるDNA(デオキシリボ核酸)を、「生命の場」である細胞に入れるとウイルスとなる。まるで生物と物質の境界を行き来するような試みである。さらにウイルスは、ある動物のDNAを別種の動物に運ぶことがある。一方、人間の腸内には約1000種もの細菌が住んでおり、人体のことを「超個体」と呼ぶ人もいる。このような例を考えると、生物は全体で「生命の場」を作り上げ、私たちは関係性の中で生きているといえるのではないか。生物という存在の不思議に迫る意欲作。
第1章 ウイルスを作る―ウイルスは物質なのか生物なのか?
[日販商品データベースより]第2章 病原性ウイルスの研究
第3章 ウイルスを排除することはできるか?―天然痘を撲滅できた数多くの幸運
第4章 細胞間情報伝達粒子がウイルスになった?―エクソソームがウイルスの起源なのか
第5章 レトロウイルスの起源と本来の役割
第6章 遺伝子の平行移動(ラテラル・ジーン・トランスファー)
第7章 現代のコアラはタイムマシーンか―種の壁を越えていくウイルスの現場
第8章 なぜ小さな恐竜も絶滅したのか?
第9章 場と生命、そして宇宙
ウイルス学者は、ウイルスを作り出すことができます。
感染細胞から、ウイルスのタンパク質の設計図が書いてあるDNAをとってきて、それをプラスミドという大腸菌内の環状DNAに入れて増殖させるのです。あくまで物質であるDNA(デオキシリボ核酸)を、「生命の場」である細胞に入れてやると、ウイルスとなる。まるで生物と物質の境界を行き来するような実験です。ウイルスは、私たちがもっている生命観からはみ出てしまうような存在なのですが、本当に例外的なのでしょうか?
さらにウイルスは、ある動物のDNAを、別種の動物のDNAに運ぶことがあります。レトロウイルスはまさに現在進行形で、コアラのゲノムに入り込んで、そのDNAを変えようとしています。一方、人間の腸内には約1000種、100兆個から1000兆個もの細菌が住んでいます。このような例を考えると、生物の世界は「種」あるいは「個体」が独立した世界なのではなく、全体で「生命の場」というものをつくりあげ、私たちは関係性の中で生きているといえるのではないでしょうか。
本書は、「生命には場が必要であり、実は全体で一つ」「ウイルスが生命をつないでいて、生命の場を提供している」「個という概念をもつことは生物学的に正しいのか」といったテーマについて、ウイルス学者の視点から考えます。
■1年以上、生死について考えて苦しんだ/■ウイルスを作る/■ウイルスを排除することはできるか?/■細胞間情報伝達粒子がウイルスになった?――エクソソームがウイルスの起源なのか……/■さまよえる遺伝子/■種はどのようにして分かれていくのか/■現代のコアラはタイムマシーンか――種の壁を越えていくウイルスの現場/■個とは何か/■生命が生まれたのは必然か偶然か