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[BOOKデータベースより]
『朝露』―記憶と記録へと向かう芸術的想像力
[日販商品データベースより]朝露プロジェクト―深い空白への挑戦
ポストコロニアリズムの時代におけるソーシャリー・エンゲイジド・アート
『朝露』についてのノート
図版 作品解説
さまざまな「夢」が繋ぐ「朝露」プロジェクト
「朝露」を思う―東アジアをほどく、作る、越える
洗脳と分断を解き、不条理と孤独から出奔する日まで
語れなさについて
脆く儚いフレーム/生のあやうさ―琴仙姫の“朝露”に寄せて〔ほか〕
魂の長い夜を明かし草葉に宿る
真珠より美しい朝露のように
心に悲しみが実るとき
朝の丘に立ち微笑みを学ぶ
(『朝露』 歌詞より 訳:李 政美 作詞:金 敏基)
「朝露」とは、1980年代に韓国の学生運動で歌われた歌のタイトルで、夜を経て純粋で美しいものに生まれ変わることを象徴している。
アーティスト琴仙姫(クム・ソニ)によって企画された「朝露」は、「元「帰国者」」をテーマとしたソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)・プロジェクトである。
1950年代から80年代の「北朝鮮帰国事業」において、延べ9万人を超える在日朝鮮人が、当時「地上の楽園」として報道された幻想を信じ、北朝鮮へと「帰国」した。しかし、彼ら「帰国者」を待っていたのは、深刻な貧困や過酷な生活であった。独裁体制の下で日本からの数多くの「帰国者」が不明確な理由で強制収容所に送られ、命を落とすこともあったという。この出来事は、いまだに解決されていない東アジアの歴史問題として残っている。その北朝鮮から「脱北」した「帰国者」を、このプロジェクトでは元「帰国者」と称する。そして、現在日本には200人あまりの元「帰国者」が住んでいる。彼らは、脱北した事実を隠す必要に迫られている。隠さないと日々の生活に困難をきたすためだ。
このような状況下で、実際に日本で暮らす脱北した元「帰国者」の人々に、琴をはじめとした3組のアーティストが会いに行く。元「帰国者」への対話をとおしてインスピレーションを培いながら、作品制作と展示へと繋げていく。それらの作品群は、2020年11月に東京北千住のギャラリーで発表され、わずか6日間の会期にもかかわらず大きな反響を得た。
本書では、展覧会で発表された作品とその記録を起点とし、外部の寄稿者による「朝露」プロジェクトへの応答を幾重にも編みながら、ディスカッションの輪を広げていくことを試みる。
編著者:琴仙姫(クム・ソニ)
東京都生まれ。アーティスト。2005年カリフォルニア芸術大学 (Cal Arts)修士課程修了。2011年東京藝術大学先端芸術表現領域博士課程修了。2016年ポーラ美術振興財団在外研修員としてロンドンにて研修。apexart(ニューヨーク、2012)、Pump House Gallery(ロンドン、2012)、釜山ビエンナーレ(釜山、2014)、MEINBLAU project space(ベルリン、2017)などで展示。2019年度川村文化芸術振興財団「ソーシャリー・エンゲイジド・アート支援助成」を受け「朝露」プロジェクトを推進。2023年アメリカ・コーネル大学THE HERBERT F. JOHNSON MUSEUM OF ARTにて「朝露」プロジェクトの特別展開催予定。
www.sonikum.com