- 失格でもいいじゃないの 太宰治の罪と愛
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- 価格
- 1,870円(本体1,700円+税)
- 発行年月
- 2023年02月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784065282113
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[BOOKデータベースより]
盗作、薬物中毒、数度の心中事件…。最後は妻子を残して愛人と三八歳で入水心中を遂げた作家は、今なお多くの読者を惹きつけてやまない。三島由紀夫に「治りたがらない病人」と毛嫌いされ、「走れメロス」のモチーフ「熱海事件」に巻き込まれた檀一雄を激怒させた作家。太宰の弱者に寄り添う独特な視線、自堕落なあり方は、弱々しく生きる自由を決して否定しない。ダメ人間太宰の深い愛に触れる、感動の評論。
序章 ふたつの失格
[日販商品データベースより]第1章 言語的異性装趣味―女生徒の見た世界(女であることへの嫌悪;なぜ私は「女」なのか ほか)
第2章 人間失格と人間宣言―太宰治と天皇(人間と「人非人」;太宰と戦後社会 ほか)
第3章 戦後の作家のサバイバル―太宰と三島(三島由紀夫は太宰治の文学をどのように見ていたか;二人の邂逅 ほか)
終章 私的太宰治論あるいはすこし長いあとがき
「生まれて、すいません」「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」「恥の多い生涯を送ってきました」
いくつかの盗作があり、薬物中毒者でもあり、心中事件を繰り返し、最後は妻子を残して愛人と38歳で入水心中を遂げた作家は、今なお多くの読者を惹きつけています。
三島由紀夫に毛嫌いされて、檀一雄を激怒させたが、それでも無視できない魅力を感じていました。
太宰は、ダメな人間であり、ダメな作家であったからこそ、その輝きが永続するのだと、著者は言います。また、現代だからこそ、読まれるべき作家なのだとも。
太宰の作品が持っている、弱者に寄り添う独特な視線、未来志向とはほど遠い、退嬰的なあり方、自堕落なあり方は、私たちが弱々しく生きる自由があり、弱々しくしか生きられない私たちに寄り添う力があるのです。
弱い立場にあった(今なおある)「女」という存在を太宰はどう表現しているのかを、女言葉を使った作品の解読から読み解く「第一章 言語的異性装趣味 女生徒の見た世界」。
戦前・戦後を挟んで、人間でなかった天皇は、「人間」となりました。第一章の議論を受けて、多くの周りの人々を喪失した経験を生き残り(サバイバー)として、生きながらえる時の罪悪感(ギルト)をどう捉えるのかという視点から、作品を読み解く「第二章 人間失格と人間宣言 太宰治と天皇」。
そして、「第三章 戦後の作家のサバイバル 太宰と三島」では、第二章の議論を受けて、二人の対照的な作家のあり方から、戦後日本における、生き方の困難への立ち向かい方を読み解いていきます。
作家太宰治の魅力を根本から問いなおす一冊です。
【目次より】
序 章 ふたつの失格
第一章 言語的異性装趣味 女生徒の見た世界
第二章 人間失格と人間宣言 太宰治と天皇
第三章 戦後の作家のサバイバル 太宰と三島
終 章 私的太宰治論あるいはすこし長いあとがき
ほんとうのおわりに
註
主要参考文献
初出一覧