[BOOKデータベースより]
アメリカ、スペイン、台湾、シンガポール、フィリピン、韓国、日本など、各地のアニメの展開、受容の諸相や翻訳の問題点を明らかにし、声と映像をめぐる身体性や、コンテや原画などの素材とアーカイブが抱える課題を議論して、アニメーション研究の新たな知見を提示する。
第1部 国を超えて変容する声と映像(台湾における日本アニメソングと音声の現地化;フィリピンにおける日本アニメの現地化とその受容;目に見えない存在の意義―スペインにおける日本アニメの吹き替え;アメリカ・クランチロール社と韓国の開発国家的アニメーション)
第2部 多様な身体に作用する声と映像(「トムとジェリー」の声とセリフ;『鬼滅の刃』の音;音声から再考するロトスコープとライブアクション・レファレンス;「耳で感じる」快楽―「カセットJUNE」における身体性と官能をめぐる一考察 ほか)
第3部 多様な素材が示すアニメの現場と仕事の形態(日本のアニメ業界の制作体制と中間素材;アニメ・アーカイブにおける音響素材の位置;新潟大学でのアニメ・アーカイブの研究活動;アニメ中間素材からみえてくる“ブレ”表現の独自性)
グローバル・メディアである日本アニメは、アメリカ、スペイン、台湾や東南アジアでどのように受容されているのか。国を超えて変容する声と映像、多様な身体、セル画や原画などの中間素材が示すアニメの現場と仕事の形態を軸に、各国の研究者が論述する。