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- 地先
-
- 価格
- 803円(本体730円+税)
- 発行年月
- 2022年12月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784198948108
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[BOOKデータベースより]
絵描きになる夢をあきらめ、平凡な主婦生活を送っていた幸代。娘の作品が美術展に入賞したので上野に連れ立って出かけた。そこで青春時代、芸術家としての才能を信じ、尽くしきった男が、街頭で絵を売っている姿をみる。動揺する幸代が帰宅して描くのは…。(「言葉さえ知っていたら」)他、御宿を舞台にした「海の縁」「地先」など、苦しみの果てにのぞく希望を繊麗な筆致で描く八篇!
[日販商品データベースより]日本経済新聞2019年8月15日夕刊で、通常、
時代小説の書評を担当されている縄田一男氏が
例外的に『地先』を取り上げた。
「今回は破格の一巻として、乙川優三郎の現代
もの短編集『地先』を扱う。表題作の”地先”
とはその土地から先へつながっている場所と
いう意味の言葉。巻頭の「海の縁」と巻末に
すえられた表題作は対で、御宿の海岸を
舞台に、人生の後半にさしかかった
主人公がいま一歩踏み出そうとする姿を
描いている。
前者は谷内六郎の生涯を己に投影し、
後者は風来坊の画家が海女を思わせる
民宿の娘と出会うことでそれは成される。
……希望や諦観を瑞々しい筆致で描く
8つの物語……そこからさざ波のように
わきあがってくるのは真の小説と
出会った感動にほかならない」と絶賛。
ブック・ジャーナリスト内田剛氏は
「なんと熟成された物語なのだろう…。
人生の艱難辛苦を味わい尽くした究極の大人の
文学だ!」と絶賛。
圧倒的な筆力で、数々の賞を総なめにしてきた
乙川優三郎が到達した地平!
「悲しみ、苦しみのないものを書こうと
思わない」という意図のもと、
楽しいだけの話ではなく、
「苦しみの末のハッピーエンドを予感
させる物語」
を描く。
*恋人と一緒の南国のリゾート。遊覧飛行の
事故で、恋人のみが死亡。
傷ついて故郷の海辺の町に帰ってきた女。
自由な恋と仕事に人生を過ごした女が、
海辺の町で、地に足着けて自分の夢を
実現しようとする男と再会。ささやかな生きる
希望が生まれる。…(「すてきな要素」)
*絵描きになる夢をあきらめ、平凡な主婦生活を
送っていた幸代。娘の作品が美術展に入賞
したため、上野に連れ立って出かけた。
そこで、青春時代、芸術家としての
才能を信じ、尽くしていた男が、
街頭で絵を売っている姿をみる。
動揺する幸代が帰宅して描いたのは…。
(「言葉さえ知っていたら」)
御宿を舞台に描く『海の縁』『地先』など珠玉の8篇!