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[日販商品データベースより]
突然に発症して短時間で致死的な病態に陥る心血管疾患は、「救命の連鎖」を強化することで転帰を改善させることが可能になる。その代表疾患である急性心筋梗塞(AMI)には、致死性不整脈の治療に加えて緊急での冠動脈カテーテル治療(PCI)による再灌流療法が行われ、院内死亡率は劇的に低下し、5%となっている。
その一方で、克服すべき課題は残されている。心原性ショックを伴うAMIには、緊急でのPCIと同時に機械的循環補助装置を駆動させるなど救急集中治療が即時に行われているが、院内死亡率は40%と依然として高い。機械的合併症を生じたAMIも致死率は高い。冠動脈治療室(coronary care unit; CCU)または集中治療室(intensive care unit; ICU)には、AMIによる心原性ショックだけでなく、難治性心不全、循環不全/ショックなど他の循環器疾患が増えている。この中には心停止後の自己心拍再開後症例も含まれている。さらに患者の高齢化と複数の併存疾患を伴うことにより、呼吸不全、腎不全、敗血症の併発による多臓器不全が増えている。このため、心血管系の処置に加え、脳蘇生、人工呼吸、腎代替療法、あるいは感染症治療が求められ、最近の救急集中治療に合わせた変化に対応しなければならなくなっている。
このような状況の変化によって、もともとはcoronary care unitとして運営されていたものの、cardiac intensive care unit(CICU:心血管集中治療室)へと概念を転換させなければならなくなっている。循環器医と、集中治療医、看護師、呼吸療法士、理学療法士、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカー、臨床工学技士が連携した多職種でのチーム医療を展開させる必要がある。同時に、データを収集して患者転帰を評価することにより、「救命の連鎖」の強化・改善を可能にできることから、心原性ショックを含めた心血管疾患の最適な治療法の確立を目指して臨床研究を実施し、ガイドライン作成へとつなげることも検討されている。
今後解決していく課題とこのような医療環境の変化に対応するために、循環器専門医のみならず、救急診療および集中治療に専従する救急専門医や集中治療医も、循環器救急に関する知識と技術の習得が必須となっている。本特集では、循環器救急疾患に対する救急診療とその後の集中治療について、各分野のエキスパートの先生方に実践的なご解説をお願いした。循環器専門医を目指す若手医師のみならず、救急診療および集中治療に専従する医師にとっても、本書は循環器救急集中治療について学ぶ有用なテキストになると確信している。