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澪標 地方・小出版流通センター 神山睦美
私たちが西欧の知識人から教えられてきたのは、戦争を回避するためには、人間の攻撃衝動や自己中心性をどう乗り越えるかという問題を考えていかなければならないということでした。それは、ホップズからはじめて、カント、ルソー、ヘーゲルさらにトルストイ、ドストエフスキー、そして現代におけるフロイト、フッサール、レヴィナスなどの最も切実な関心事でした。だが、現在、どこにも彼らの考えを受け継ぐような存在は見当たらないように思います。/それならば、あえて、私たちが、彼らの考えを受け継ぐことによって、小林秀雄、吉本隆明、柄谷行人の絶対非戦論を私たちなりのかたちで唱えていくことには、意味があるといえます。
第1部 ウクライナ戦争をどうとらえるか(戦争反対の姿勢;絶対非戦論の立場;ナショナリズムの相克;主人と奴隷の弁証法;良心と「ゆるしがたさ」への気づき;ナショナリズムの「父殺し」;大審問官とは何者か;モーセ殺しとイエスの死;隷従精神としての「ケノーシス」;帝国主義国家のナショナリズムを超えるもの;全体主義へと超えていく国民国家;「命がけの飛躍」と「生きた労働」;歴史の未来)第2部 なぜいま絶対非戦論が問題とされなければならないのか(吉本隆明『甦えるヴェイユ』のモティーフ;シモーヌ・ヴェイユの戦争観;ベンヤミンの「歴史の天使」;ローザ・ルクセンブルクからハンナ・アレントへ;人類に対する罪;赦しと絶対他力;なぜいま絶対非戦論か;悪の者を照らすパブリックな光)第3部 戦争とは何か(「戦争」という「現実」;近代哲学が提起した問題;信念対立から普遍暴力へ;虚栄と我執の劇;軍国主義と「力」の思想;ゴルギアス・テーゼの超克;生成する力と生成する欲望;人間のメンバーシップとドストエフスキーへの展望)第4部 ドストエフスキーと「戦争」(ロシアのナロード;ケノーシスという隷従精神;闇と魂のロシア;ロシア的な熱狂と日本の超国家主義;辺境論、風土論からみた六八年;北一輝の「神類」絶対理想;奇跡、神秘、権威;民衆の救済と民衆への不信;洗練された美意識と死への願望;愛国心(ナショナリズム)と愛国の義(パトリオティズム);ロベスピエールの愛国心;ドストエフスキーの愛国心;ドストエフスキー戦争観;政治的な力に対する批判と宗教批判;戦争の不可避性と平和の到来)第5部 漱石と「戦争」(戦争と「力」の観念;一九一〇年、明治四三年の大空;博士問題の去就と不幸の固有性;存在の不条理と多声的構造;一人の天使と歴史という翼)
私たちが西欧の知識人から教えられてきたのは、戦争を回避するためには、人間の攻撃衝動や自己中心性をどう乗り越えるかという問題を考えていかなければならないということでした。それは、ホップズからはじめて、カント、ルソー、ヘーゲルさらにトルストイ、ドストエフスキー、そして現代におけるフロイト、フッサール、レヴィナスなどの最も切実な関心事でした。だが、現在、どこにも彼らの考えを受け継ぐような存在は見当たらないように思います。 それならば、あえて、私たちが、彼らの考えを受け継ぐことによって、小林秀雄、吉本隆明、柄谷行人の絶対非戦論を私たちなりのかたちで唱えていくことには、意味があるといえます。
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又吉直樹
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[BOOKデータベースより]
私たちが西欧の知識人から教えられてきたのは、戦争を回避するためには、人間の攻撃衝動や自己中心性をどう乗り越えるかという問題を考えていかなければならないということでした。それは、ホップズからはじめて、カント、ルソー、ヘーゲルさらにトルストイ、ドストエフスキー、そして現代におけるフロイト、フッサール、レヴィナスなどの最も切実な関心事でした。だが、現在、どこにも彼らの考えを受け継ぐような存在は見当たらないように思います。/それならば、あえて、私たちが、彼らの考えを受け継ぐことによって、小林秀雄、吉本隆明、柄谷行人の絶対非戦論を私たちなりのかたちで唱えていくことには、意味があるといえます。
第1部 ウクライナ戦争をどうとらえるか(戦争反対の姿勢;絶対非戦論の立場;ナショナリズムの相克;主人と奴隷の弁証法;良心と「ゆるしがたさ」への気づき;ナショナリズムの「父殺し」;大審問官とは何者か;モーセ殺しとイエスの死;隷従精神としての「ケノーシス」;帝国主義国家のナショナリズムを超えるもの;全体主義へと超えていく国民国家;「命がけの飛躍」と「生きた労働」;歴史の未来)
[日販商品データベースより]第2部 なぜいま絶対非戦論が問題とされなければならないのか(吉本隆明『甦えるヴェイユ』のモティーフ;シモーヌ・ヴェイユの戦争観;ベンヤミンの「歴史の天使」;ローザ・ルクセンブルクからハンナ・アレントへ;人類に対する罪;赦しと絶対他力;なぜいま絶対非戦論か;悪の者を照らすパブリックな光)
第3部 戦争とは何か(「戦争」という「現実」;近代哲学が提起した問題;信念対立から普遍暴力へ;虚栄と我執の劇;軍国主義と「力」の思想;ゴルギアス・テーゼの超克;生成する力と生成する欲望;人間のメンバーシップとドストエフスキーへの展望)
第4部 ドストエフスキーと「戦争」(ロシアのナロード;ケノーシスという隷従精神;闇と魂のロシア;ロシア的な熱狂と日本の超国家主義;辺境論、風土論からみた六八年;北一輝の「神類」絶対理想;奇跡、神秘、権威;民衆の救済と民衆への不信;洗練された美意識と死への願望;愛国心(ナショナリズム)と愛国の義(パトリオティズム);ロベスピエールの愛国心;ドストエフスキーの愛国心;ドストエフスキー戦争観;政治的な力に対する批判と宗教批判;戦争の不可避性と平和の到来)
第5部 漱石と「戦争」(戦争と「力」の観念;一九一〇年、明治四三年の大空;博士問題の去就と不幸の固有性;存在の不条理と多声的構造;一人の天使と歴史という翼)
私たちが西欧の知識人から教えられてきたのは、戦争を回避するためには、人間の攻撃衝動や自己中心性をどう乗り越えるかという問題を考えていかなければならないということでした。それは、ホップズからはじめて、カント、ルソー、ヘーゲルさらにトルストイ、ドストエフスキー、そして現代におけるフロイト、フッサール、レヴィナスなどの最も切実な関心事でした。だが、現在、どこにも彼らの考えを受け継ぐような存在は見当たらないように思います。
それならば、あえて、私たちが、彼らの考えを受け継ぐことによって、小林秀雄、吉本隆明、柄谷行人の絶対非戦論を私たちなりのかたちで唱えていくことには、意味があるといえます。