よく聞きなさい、すぐにここを出るのです。

思潮社
藤井貞和　

• 価格: 2,860円（本体2,600円＋税）
• 発行年月: 2022年07月
• 判型: Ａ５
• ISBN: 9784783745013

内容情報

[BOOKデータベースより]

いま詩はどのように書かれるのか。うたと物語のやわらかな触手を自在にのばし、現代の難問に日本語の瀬戸際で応答を試みる。

火　三篇
金メダルをメキシコ湾の湖へ沈める
叙事詩と民族との関係
神の誘い子（物語の始まり）
糸の遊び
錫の歌
桃原さんの石
あなたは―むやみやたらに咲き続く
学校、後ろ戸、短歌
無季
みどりの石
天の紙と風の筆―懐風藻
文法の夢
小声の語法
南残の人々
京都
猫語〔にゃ〕
記号論
汚職
徳
理由（なぜ詩を書くのかと問われて）
物語するバクーニン
ものがたり〈霊語り〉
蔓の詩篇

[日販商品データベースより]

切りひらく叙事うた



汚れた言葉を遠慮せよ、

だれもが父に言いました



怒りで汚れたこころを、

ぼくはうたいますか。

（「汚職」）



「神話に近づけたり、語り手を設定したりして、現代が仕掛けてくるむずかしい問題に向けて、何とか私なりに答えを出そうと、右往左往している自分が棲んでいるように見える」（「あとがきに代え」）。うたと物語のやわらかな触手を自在にのばし、現代の難問に日本語の瀬戸際で応答を試みる。最新詩集。装幀＝中島浩