[BOOKデータベースより]
インド、ベンガル地方で生まれたカンタは、もう着なくなった古いサリー(女性の衣服)やドウティー(男性の腰布)を重ね、刺し子の技法をほどこして再生させた布。模様と細かな地縫いがされて補強された布は、掛け布や敷き布に、赤ちゃんのおくるみに、生活の布として新しい命が吹き込まれました。ベンガルの女性たちの空想の世界が広がる、自由で大らかな模様は、古い布を再生して使う暮らしの民藝でありながら、その芸術性の高さは多くの人の心をとらえます。著者は、1970年代にインドでカンタに出会い、独学でその手法を調べ、作品を作り続けてきました。「シルクロードの果て」の日本で作られる独創的なカンタと、研究のために集めた貴重なオールド・カンタのコレクションをご紹介します。
1 望月真理のカンタ作品(太陽紋の法被;ベトナム紀行;勿来の春 ほか)
2 糸と布のある暮らし(インタビュー;アジアの刺繍に学び、遊ぶ;仕事場、インテリア ほか)
3 オールド・カンタコレクション(カンタについて;カンタの伝統的なモチーフ;望月真理プロフィール)
95歳現役のカンタ刺繍作家、望月真理の作品&インド現地の貴重なヴィンテージ・コレクション集
インド・ベンガル地方に伝わる美しい刺し子、カンタ刺繍。
著者の望月真理は、日本にカンタ刺繍を広めた第一人者です。
95歳の今も現役で制作を続け、自宅で開催している教室には遠方から通う方も多くいます。
若い時から西洋刺繍を長く学び、旅先のインドで出会ったカンタ刺繍に衝撃を受け、独学で技法を学び始めたのは50歳を過ぎてからのこと。
ベンガルの女性が家族のために一針一針刺す生活の刺繍であるカンタは、教科書も教えてくれる人もいません。
何度もインドに通い、現地で古い刺繍布を集めて研究を重ね、独自の技法を磨いてきました。
著者の作品のみならず、その生き方や制作スタイル、そして、生活の美がアートにまで昇華したカンタ刺繍という手仕事にも関心が高まっています。
本書は、ファン待望の初の作品集です。
原寸大の文様や、裏側も一部掲載し、刺繍を学ぶ方の参考になるよう工夫しています。
さらに著者が現地で集めた貴重なヴィンテージの刺繍布コレクションも掲載。
カンタの伝統文様が象徴する意味や、カンタ刺繍をこれから始めたい方のための基本の技法も掲載しています。
読み物として著者インタビューや、日々のアトリエの様子、これまでの旅のコレクションの写真なども掲載し、望月真理ファンはもちろん、すべての手仕事愛好家が楽しめる一冊になっています。
■目次
CHAPTER1 望月真理のカンタ作品
太陽紋の法被/ベトナム紀行/勿来の春/中国の山あいの村/象は森の王様/親子四代の思い出/桃源郷/庭の葉っぱ/楽しい地球/舟遊び/釈迦の教え/里芋の葉/椿/コーヒー染めのひざ掛け/茶敷、急須敷、または鍋敷
CHAPTER2 糸と布のある暮らし
インタビュー/アジアの刺繍に学び、遊ぶ/仕事場、インテリア/アジアの民族衣装コレクション/HOW TO WORK 初めてのカンタ/葉っぱのモチーフを刺してみましょう/模様のサンプル
CHAPTER3 オールド・カンタコレクション
カンタについて/カンタの伝統的なモチーフ/望月真理プロフィール
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