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環境配慮型農法が普及するための社会的条件
新泉社 谷川彩月
点
米どころとして知られる宮城県登米市。JAみやぎ登米の管内では、農薬と化学肥料を地域の基準から半減した「環境保全米」がひろく生産されており、作付面積は8割にもおよぶ。地域スタンダードといえるまでに普及した背景を探り、“ゆるさ”から生まれる持続可能な農業の可能性をみつめる。
序章 環境保全米とは何か第1章 有機農業と慣行農業の狭間で―農業環境公共財はいかにして供給できるか第2章 どうすれば環境配慮型農法は普及するのか―生業と文脈化の過程から第3章 環境保全米の普及に向けた発想の転換―対立を乗り越えるための試行錯誤第4章 なぜ環境保全米をつくるのか―農協と農業者による文脈の共創第5章 環境保全米をどうみているか―アンケート調査が示す三つの類型と規範の存在第6章 ローカルな農業と環境の調和は可能か―“ゆるさ”・経済合理性・ローカルフード運動終章 “ゆるさ”から「持続可能な農業」をつくる資料 「慣行農業」の起源
《有機と慣行の〈間〉に芽吹く循環型農業》米どころとして知られる宮城県登米市。JAみやぎ登米の管内では、農薬と化学肥料を地域の基準から半減した「環境保全米」がひろく生産されており、作付面積は8割にもおよぶ。地域スタンダードといえるまでに普及した背景を探り、〈ゆるさ〉から生まれる持続可能な農業の可能性をみつめる。 日本では有機農業の普及率は国内耕地面積の一%にも満たず、大多数の農家は従来どおりに農薬・化学肥料を用いる慣行農業を選択し続けている。このような現状を少しでも変えていくには、技術的条件に加えて、有機と慣行の〈間〉に立って環境配慮型農法の普及を後押しするための「社会的条件」の解明が必要になる。 JAみやぎ登米では、管内すべての水田を、その多くが特別栽培米基準でつくる「環境保全米」へと転換することを構想し、全体の八割ほどの面積で取り組みを続けている。これほど大規模に環境配慮型農法が営まれている地域は全国的にみても珍しい。なぜこの地域でひろく普及したのか、どのように継続されてきたのか。その経緯を調査・分析することは、持続可能な農と食と社会のあり方を考えていくうえで有益な知見をもたらすものであろう。《本書の知見から提言できることは、農法を有機農業か慣行農業かという二元論でとらえるのではなく、有機と慣行の狭間にある多様な環境配慮型農法を含めた連続的な存在としてとらえることが、多くの生産者と消費者が環境保全の担い手になれるようなしくみを創出しうるということである。 これは、完全主義的な有機農業に邁進したい農業者を否定するのでもなく、完全無農薬栽培の農産物を購入したい消費者を否定するのでもない。多様な環境配慮型農法のあり方を提示し、それを社会が共有していくことが、より多くの人びとが環境保全にかかわることができるしくみづくりにつながるのではないかということだ。…………著者》
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1位
又吉直樹
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2015年03月発売】
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[BOOKデータベースより]
米どころとして知られる宮城県登米市。JAみやぎ登米の管内では、農薬と化学肥料を地域の基準から半減した「環境保全米」がひろく生産されており、作付面積は8割にもおよぶ。地域スタンダードといえるまでに普及した背景を探り、“ゆるさ”から生まれる持続可能な農業の可能性をみつめる。
序章 環境保全米とは何か
[日販商品データベースより]第1章 有機農業と慣行農業の狭間で―農業環境公共財はいかにして供給できるか
第2章 どうすれば環境配慮型農法は普及するのか―生業と文脈化の過程から
第3章 環境保全米の普及に向けた発想の転換―対立を乗り越えるための試行錯誤
第4章 なぜ環境保全米をつくるのか―農協と農業者による文脈の共創
第5章 環境保全米をどうみているか―アンケート調査が示す三つの類型と規範の存在
第6章 ローカルな農業と環境の調和は可能か―“ゆるさ”・経済合理性・ローカルフード運動
終章 “ゆるさ”から「持続可能な農業」をつくる
資料 「慣行農業」の起源
《有機と慣行の〈間〉に芽吹く循環型農業》
米どころとして知られる宮城県登米市。
JAみやぎ登米の管内では、農薬と化学肥料を地域の基準から半減した「環境保全米」がひろく生産されており、作付面積は8割にもおよぶ。
地域スタンダードといえるまでに普及した背景を探り、〈ゆるさ〉から生まれる持続可能な農業の可能性をみつめる。
日本では有機農業の普及率は国内耕地面積の一%にも満たず、大多数の農家は従来どおりに農薬・化学肥料を用いる慣行農業を選択し続けている。このような現状を少しでも変えていくには、技術的条件に加えて、有機と慣行の〈間〉に立って環境配慮型農法の普及を後押しするための「社会的条件」の解明が必要になる。
JAみやぎ登米では、管内すべての水田を、その多くが特別栽培米基準でつくる「環境保全米」へと転換することを構想し、全体の八割ほどの面積で取り組みを続けている。これほど大規模に環境配慮型農法が営まれている地域は全国的にみても珍しい。なぜこの地域でひろく普及したのか、どのように継続されてきたのか。その経緯を調査・分析することは、持続可能な農と食と社会のあり方を考えていくうえで有益な知見をもたらすものであろう。
《本書の知見から提言できることは、農法を有機農業か慣行農業かという二元論でとらえるのではなく、有機と慣行の狭間にある多様な環境配慮型農法を含めた連続的な存在としてとらえることが、多くの生産者と消費者が環境保全の担い手になれるようなしくみを創出しうるということである。
これは、完全主義的な有機農業に邁進したい農業者を否定するのでもなく、完全無農薬栽培の農産物を購入したい消費者を否定するのでもない。多様な環境配慮型農法のあり方を提示し、それを社会が共有していくことが、より多くの人びとが環境保全にかかわることができるしくみづくりにつながるのではないかということだ。…………著者》