- 我と汝
-
講談社学術文庫 2677
Ich und Du- 価格
- 1,100円(本体1,000円+税)
- 発行年月
- 2021年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784065246269
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- キェルケゴール
-
価格:1,100円(本体1,000円+税)
【2024年01月発売】
- ヘーゲル論理の学 第一巻 新装版
-
価格:6,380円(本体5,800円+税)
【2024年12月発売】
- ヘーゲル論理の学 第二巻 新装版
-
価格:5,280円(本体4,800円+税)
【2025年02月発売】
- 解釈学入門
-
価格:2,970円(本体2,700円+税)
【2024年05月発売】
- ドゥルーズ『意味の論理学』の注釈と研究
-
価格:8,250円(本体7,500円+税)
【2020年02月発売】
[BOOKデータベースより]
第一次大戦の爪痕も深いドイツで刊行された本書は“われ”‐“それ”と“われ”‐“なんじ”という、二つの世界があることを説く。経験と利用に覆われた“それ”の世界の軛から解放されるには、全身全霊をかけて相対する“なんじ”と出会わねばならない。その時、わたしは初めて真の“われ”となる―。対話の思想家が遺した普遍的名著!
第1篇 根源語
[日販商品データベースより]第2篇 人間の世界
第3篇 永遠の“なんじ”
資料 あとがき(一九六二年)
「まことに、〈われ〉は、〈なんじ〉と出会うことによってはじめて、真の〈われ〉になるのである。わたしが〈われ〉となるにしたがって、わたしは相手を〈なんじ〉と呼びかけることができるようになるのである」。
「すべての真実なる生とは、まさに出会いである」。
オーストリア生まれのユダヤ人哲学者マルティン・ブーバー(1878-1965年)は、ウィーン大学で哲学や美術史を学んだのち、神秘主義的なユダヤ教の一派であるハシディズムに傾倒しつつ、ユダヤ人のパレスチナ復帰を目指すシオニズム運動に参加する。1916年にはドイツ語圏ユダヤ人の指導的機関誌となる『ユダヤ人』を創刊してその編集にあたり、またフランツ・ローゼンツヴァイク(1886-1929年)とともにヘブライ語聖書(旧約聖書)のドイツ語訳を行う。その後フランクフルト大学で教鞭をとるも、1938年にドイツを脱してイスラエルに移住。以後はヘブライ大学に勤め、エルサレムで人生を終えている。
第一次世界大戦に志願兵として参加し、塹壕のなかで着想を得て執筆されたローゼンツヴァイクの『救済の星』(1921年)の刊行後ほどなく、本書は敗戦の爪痕も未だ深いドイツで1923年に刊行された。
ブーバーの主著でもあるこの本は、「ひとは世界にたいして二つのことなった態度をとる。それにもとづいて世界は二つとなる」という一文で始まる。二つの世界のうち、一つは〈われ〉‐〈なんじ〉の世界であり、もう一つが〈われ〉‐〈それ〉の世界である。世界は、単に人間の経験の対象となるときには〈われ〉‐〈それ〉という根源語に属し、これに反して関係の世界は、もうひとつの根源語、〈われ〉‐〈なんじ〉によって作り出されるという。
「対話の思想家」と称されるブーバーは、さらに「はじめに関係あり」と語る。「私」ではなく「あなた」でもなく、〈われ〉と〈なんじ〉、そして〈われ〉と〈それ〉の出会いから始まる世界とは、どのようなものなのか。そしてそれは私たちの生に何をもたらし、どのように変えていくのか。ユダヤ思想のエッセンスに満ちた普遍的名著が、いま〈あなた〉に語りかける!
(原本:『孤独と愛――我と汝の問題』創文社、一九五八年)
【目 次】
第一篇 根源語
第二篇 人間の世界
第三篇 永遠の〈なんじ〉
資料 あとがき〔一九六二年〕(佐藤貴史訳)
訳者解題
学術文庫版解説(佐藤貴史)