[BOOKデータベースより]
京大生の失踪!「俺は今までずっと一人だったんだ」走り書きの手紙を残して消えた、大学生の息子。息子の人生に思いを馳せながら、古墳に耽溺する“私”。映画監督として国の起源を撮り続けた、父。漂泊の系譜が、三人を古代へと誘う―。親子の血脈をめぐるノンフィクション。
第1章 血脈
第2章 失踪
第3章 箸墓
第4章 盗掘
第5章 別離
第6章 出雲
親父へ
本当に申し訳ありません。
もうそれしか言えることがありません。
親父の事は好きだったし、今でもそれはかわりません。
でもあなたと会うことを考えると本当に頭がどうにかなってしまいそうです。
罪悪感なのか後悔なのかは分からないのですが、本当に死んでしまいたくなるのです。
前回、「生きたいか」と聞いてもらって「はい」と答えたと思いますが、今はもう分かりません。
生きたいかは分かりませんが、それでも目の前の苦しみからは逃げ出してしまいたくなるのです。
なさけない息子で申し訳ありません。
走り書きの手紙を残して大学生の息子が失踪する10カ月前、“私”は彼とともに黄泉平坂に潜った。
離婚後に息子と月に一度会うことで彼との絆をつないできた著者は、彼の中に、また自己の中に、祖父であり父である映画監督の前田憲二氏の放浪と遊蕩を好む血を見る。
「私たちに探されることが、彼の意識が最も求めていないことであるはずだから」。そう決意した著者は、彼の身を案じながらも古墳に潜り、自己の生の証としての古墳のあり方や、薩摩藩の古物好きとして知られる税所篤の生き方を通して、家族の物語を見いだしていく――。
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