- 周縁に目を凝らす
-
マイノリティの言語・記憶・生の実践
広島市立大学国際学部叢書 11
- 価格
- 3,850円(本体3,500円+税)
- 発行年月
- 2021年03月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784779127380
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[BOOKデータベースより]
パンデミックのような災厄でもっとも深刻な影響を受けるのは“マイノリティ”であるが、国民国家を単位とする国際社会のなかでこそ、彼らは周縁に追いやられている。…そうした時代に先だつテキストを通じ、多様な可能性の存在を想起すること、フィールドに赴き周縁の記憶を聴き取ること、現代国家による“マイノリティ”の線引きによる諸問題を資料から読み解くこと。多様なディシプリンや対象地域から、“マイノリティ”が生きる世界の周縁に目を凝らし、その生きざまを、自らを照らし出すものとして考察する。
第1部 周縁における生の実践(世界の中心から周縁へ―南部エチオピア牧畜民ボラナの近現代史を素描する;シングルマザーの貧困と社会保障―日本とフランスを比較する;日本語母語話者から見た中国手話―その概要、手話から見た中国語学習)
[日販商品データベースより]第2部 複数の言語/空間をめぐる試作(単数形の「ロシア」から複数形の「ユーラシア」へ―一九三〇年代前半のN・S・トルベツコイの民族観とユーラシア主義の展開について;紛争後の多民族社会における複数言語主義の揺らぎ―北マケドニア共和国における言語使用法をめぐって)
第3部 周縁からの言葉の創造―フランスから(信仰と郷土愛に生きた詩人ブレイモール―フランス・ブルターニュ地方の民族主義運動を背景に;「ブール文学」は存在するか?―新しい可能性としての文学)
第4部 周縁の記憶から現在を問う―パレスチナと広島(マイノリティの“アラブ”―多文化・多言語の郷土としてのパレスチナ;地図の余白から―記憶の交差路としての広島へ)
第5部 周縁からの正義を求めて(エッセー ハラスメントとフェミニズム・交差性・歴史認識;黒い雨 未認定被爆者カテゴリーの構築―原爆医療法制定とその改正過程を中心に;SDGs時代のマイノリティへ―パンドラの箱を開いた人類のゆくえ)
本書は、広島市立大学国際学部多文化共生プログラムの講義担当者を
中心に、本学における研究・教育を通じて蓄積した知見を成果として
公開し、相互の啓発と議論を促進し研究の発展に寄与することを
目的とする。
執筆者の専門が社会学・文化人類学・地域研究・哲学・ジェンダー研究・
美術史といった人文科学系の多彩な研究分野にわたる点を強みとし、
エスニック・マイノリティに限定されない社会的・文化的なマイノリティ、
辺境・周縁性といった概念を含めるものとする。
個別の〈マイノリティ〉事象を扱いながらも、
マイノリティをマイノリティならしめている磁場や
マイノリティ・マイナー性の概念それ自体を問う姿勢を根底におき、
そうすることで対象分野を超えた議論を生み出す足がかりとしたい。