- 王朝物語の表現機構
-
解釈の自動化への抵抗
関西学院大学研究叢書 第230編
- 価格
- 6,600円(本体6,000円+税)
- 発行年月
- 2021年01月
- 判型
- A5変
- ISBN
- 9784909658425
[BOOKデータベースより]
先人の業績に寄りかかり、無批判に継承することで作品解釈が自動化することがなかったか。再検証を試みる。
第1部 『落窪物語』論―男君を中心に継子物語を読む(男君が継子を幸福にする物語;脇役達の登場意義と役割;重んじられる「心」)
第2部 『源氏物語』論―不評巻の再評価と物語の行方(「朝顔」巻論―女三宮物語の伏線として;「蜻蛉」巻後半の薫像―肥大化する対匂宮意識;「蜻蛉」巻、明石中宮への侍従出仕の意義―「夢浮橋」巻の先に見える救いなき世界)
第3部 後期物語論―“引用”という視点からの再考察(『浜松中納言物語』、唐后転生を待つもの;まことの契り・まことならぬ契り―『今とりかへばや』における『浜松中納言物語』引用)
第4部 『栄花物語』論―“資料参照読み”から離れて(『栄花物語』正編研究序説―想定読者という視座;「さまざまのよろこび」巻論―帝後宮の物語から兼家一家の物語へ;「みはてぬゆめ」巻の構造―不敬事件へと収斂する物語;後宮運営に関わる者の系譜上における道長)附 莵原処女伝説の諸相―“影響関係”という呪縛からの解放
先人の業績に寄りかかり、無批判に継承することで、作品解釈が自動化することがなかったか、再検証を試みる書。
話型と中心人物の対応性、不評価巻の存在意義、物語擱筆後の展開の推定・推測、主人公の理想性保持の方法、歴史物語の分析方法、テーマを共有する歌・物語の分析方法について等、抱いた疑問に答え、単に従来の研究上の「常識」を疑うにとどまらず、各作品の本質を問おうとする。
【平安時代の物語が有する仕掛け・仕組み、それを本書では「王朝物語の表現機構」と呼ぶ。そして、長年の研究の蓄積により自明視されている問題、あるいは、記念碑的論考が現れたことによりすでに決着済みと見なされている問題について、別の見取り図はあり得ないか、まったく逆の捉え方も成立し得るのではないかと問い直すことが、本書の基本的態度である。これまで、先人の業績に寄りかかり、それを無批判に継承することにより、作品解釈が自動化することがなかったか、再検証を試みた次第である。】……「序章」より
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