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地球で起きていることにはすべて理由がある
新評論 末吉正三
点
「私たちの地球(Our Earth)」から「私の地球(My Earth)」へ視点を変える。問われている人類の見識、あなたは生活者としてプロなのか?過去は未来を解く鍵。
第1章 コーラの空き瓶とペットボトル第2章 誕生から七〇〇万年間、自然が与えてくれた力だけで生きてきた人類第3章 産業革命からわずか二五〇年間で迎えた豊かさの終わりのはじまり第4章 「豊かさ」を追い求めるために人類が支払う代償第5章 次世代へ、今果たしておくべきこと―立ち止まれ、振り返れ第6章 未来へ、日本の歴史が示唆していること第7章 二〇世紀の日本―それはエネルギーとの戦いだった第8章 東日本大震災が人類に残したメッセージ第9章 二一〇〇年への準備第10章 地球と向き合うための三つのヒント
本書の第1章は、第266代ローマ教皇フランシスコの言葉、「私たちの故郷である地球は、ますます巨大なごみの山のような様相を呈し始めている」ではじまる。ここでの「ごみの山」とは、言うまでもなく地球環境が直面している危機的な状況の比喩だが、文字通りのごみ、すなわち大気と水を汚す自動車や工場の排気ガス・生活排水・産業廃棄物、機械・家電などの重工業製品から食品・繊維・プラスチックなどの軽工業製品にいたる廃棄物の総量もまた、まさしく巨大な山を成している。なかでも温室効果ガスによる地球温暖化は、このまま何も手を打たなければ生物の存続まで危うくすると警鐘が鳴らされている。しかしその主因が人類の産業活動そのものにあり、環境保護が経済成長を阻害するとみなす向きがあること、そして化石燃料の枯渇が危惧されていることなどが問題を複雑にし、解決を難しくしている。 誕生から46億年経った地球にあって、人類が現れてからまだ700万年にすぎない。2億年にわたり生きのびた恐竜も6500万年前に滅んだが、その要因は自然現象(巨大隕石が地球に衝突した)とされているのに対し、地球温暖化は人類が自ら招いたことである。温暖化に代表される環境問題は、250年前の産業革命を契機にはじまったものであり、人類が選択した資本主義経済の産物なのだ。 今日の環境問題はもはや、一部の国や企業だけで解決できるものではなくなっている。76億人が暮らすこの地球という「一軒家」を、いかに持続可能なものとするか。この問いに対して、一人ひとりが「私の家=地球」という意識をもって見識を深め、自らにできることを問い続け、実践していくしかない。一見、遠回りなようにみえて、これが一番の近道であると信ずる。本書を通じて、読者の方々とともに立ち上がることができればと願う。(すえよし・しょうぞう)
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[BOOKデータベースより]
「私たちの地球(Our Earth)」から「私の地球(My Earth)」へ視点を変える。問われている人類の見識、あなたは生活者としてプロなのか?過去は未来を解く鍵。
第1章 コーラの空き瓶とペットボトル
[日販商品データベースより]第2章 誕生から七〇〇万年間、自然が与えてくれた力だけで生きてきた人類
第3章 産業革命からわずか二五〇年間で迎えた豊かさの終わりのはじまり
第4章 「豊かさ」を追い求めるために人類が支払う代償
第5章 次世代へ、今果たしておくべきこと―立ち止まれ、振り返れ
第6章 未来へ、日本の歴史が示唆していること
第7章 二〇世紀の日本―それはエネルギーとの戦いだった
第8章 東日本大震災が人類に残したメッセージ
第9章 二一〇〇年への準備
第10章 地球と向き合うための三つのヒント
本書の第1章は、第266代ローマ教皇フランシスコの言葉、「私たちの故郷である地球は、ますます巨大なごみの山のような様相を呈し始めている」ではじまる。ここでの「ごみの山」とは、言うまでもなく地球環境が直面している危機的な状況の比喩だが、文字通りのごみ、すなわち大気と水を汚す自動車や工場の排気ガス・生活排水・産業廃棄物、機械・家電などの重工業製品から食品・繊維・プラスチックなどの軽工業製品にいたる廃棄物の総量もまた、まさしく巨大な山を成している。なかでも温室効果ガスによる地球温暖化は、このまま何も手を打たなければ生物の存続まで危うくすると警鐘が鳴らされている。しかしその主因が人類の産業活動そのものにあり、環境保護が経済成長を阻害するとみなす向きがあること、そして化石燃料の枯渇が危惧されていることなどが問題を複雑にし、解決を難しくしている。
誕生から46億年経った地球にあって、人類が現れてからまだ700万年にすぎない。2億年にわたり生きのびた恐竜も6500万年前に滅んだが、その要因は自然現象(巨大隕石が地球に衝突した)とされているのに対し、地球温暖化は人類が自ら招いたことである。温暖化に代表される環境問題は、250年前の産業革命を契機にはじまったものであり、人類が選択した資本主義経済の産物なのだ。
今日の環境問題はもはや、一部の国や企業だけで解決できるものではなくなっている。76億人が暮らすこの地球という「一軒家」を、いかに持続可能なものとするか。この問いに対して、一人ひとりが「私の家=地球」という意識をもって見識を深め、自らにできることを問い続け、実践していくしかない。一見、遠回りなようにみえて、これが一番の近道であると信ずる。本書を通じて、読者の方々とともに立ち上がることができればと願う。(すえよし・しょうぞう)