- 内田江美 EMI UCHIDA
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- 価格
- 3,300円(本体3,000円+税)
- 発行年月
- 2016年10月
- 判型
- A5変
- ISBN
- 9784905092377
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[日販商品データベースより]
多面的な魅力の分析は脇に置き、内田の作品がたちまちのうちに大人気を博した理由を理解しようとする時、ただ作品が「楽しい」と言って済ますのはやや安易にすぎるようにも感じられます。この言葉を翻訳した場合、他国語ではどのように受けとめられるのでしょうか。英語を母国語とし、日本語と中国語も使う者として、言葉の意味に深入りするのにはためらいを感じざるを得ませんが、「楽しい」はそうした言葉のひとつなのです。それでも江美さんと心と頭に去来する様々をカンヴァスに描くときに出会う技術的な難しさをどう処理するか、そしてなぜ今描いているような絵を描くかについて語り合った時、「楽しみ」こそ彼女がすぐに思いついた言葉でした。
版画作家はたえず細々とした技術面の課題や様々な限界と向き合わなければなりませんが、江美さんにはそうした足手まといがありません。心弾む作品を創る過程で作者の感じる紛れもない喜びと楽しみは、そのまま鑑賞者にも伝わります。ただし江美さんにも構図を定めるという課題があることを忘れてはなりません。
しかし鑑賞者はそうしたディテールに頭を悩ます必要はないでしょう。「ゆったり構えて、旅を楽しめ」ばよいのです。内田江美の作品には、とびきりやかまし屋の好事家さえ楽しませる神秘的な力がありますが、ただ作品に目を向け、デザイン、美しい彩り、魔法のように「楽しい」感覚を味わうだけでも、少しも不都合はありません。
本書の読者は心を洗われるように感じ、手にとった甲斐は十分にあったとお思いになることでしょう。その楽しみが作者の楽しみに匹敵するよう、心から願っております。
ノーマン・H・トールマン