- 感情史の始まり
-
GESCHICHTE UND GEFUHL
- 価格
- 6,930円(本体6,300円+税)
- 発行年月
- 2020年11月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784622089537
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[BOOKデータベースより]
感情とは、感情史とは何か。感情をめぐる社会構築主義と普遍主義を架橋し、グランドセオリーを描く試論。歴史学における感情の扱い方の手法と重要性を説く。感情を主題に人文・社会科学と生命科学を架橋する。歴史学研究の斬新な試論。
序論 歴史と感情(感情とは何か;誰が感情を有するのか ほか)
[日販商品データベースより]第1章 感情史の歴史(リュシアン・フェーヴルと感情;フェーヴル以前の感情史 ほか)
第2章 社会構築主義―人類学(感情の多様性;旅行記と初期の人類学における感情 ほか)
第3章 普遍主義―生命科学(ポール・エクマンと基本感情;第三章 行程表 ほか)
第4章 感情史の展望(『感情の航海術』―ウィリアム・M.レディによる社会構築主義と普遍主義の克服の試み;感情実践 ほか)
結論
感情とは、感情史とは何か。近年、「感情」にアクセントを置いて学問のあり方を見直す動向が高まっている。「感情心理学」「感情の社会学」「感情の政治学」云々。歴史学の分野では、かつてリュシアン・フェーヴルが感情研究を提唱していたが、21世紀に入ってようやくさまざまな事件の理解や歴史文書の読み方に「感情」という新たな視点が導入されるようになった。動物やヒューマノイド機械にも感情はあるのか、感情は私たちの身体の外側に由来するのか内側に存在するのか、そして、感情は歴史を有するのか、そうだとしたらどのような史料から読み取れるのか。
このような基本的な問いを軸に、本書は感情史研究の過去・現在・未来を概観する。なかでも本書の特徴は、感情をめぐる社会構築主義と普遍主義という二つの考え方に正面から立ち向かう点だ。人間の感情は、人類学者たちが示してきたように、時代と地域と文化でそれぞれ異なる社会構築主義的なものなのか、それとも、脳科学者はじめ生命科学の領域で言われるように人類共通の普遍的なものなのか。著者はその二つの見方を架橋しながら、感情のあり方のグランドセオリーを展開し、歴史学における感情の扱い方の手法とその重要性を説く。哲学から図像分析まで、ジャンルを超えて縦横に論じる著者の叙述はじつに刺激的だ。
日本でもようやく注目されてきた感情史についての最も定評ある基本書であり、新しい人文学の可能性をひらく書でもある。