[BOOKデータベースより]
チベット難民の「生」は苦悩か、希望か。1960年代、ダライ・ラマの亡命にともない北インドに生まれたチベット難民社会。その不確実性を承知で越境する人々は、21世紀になっても後を絶たない。「インドでの生活は時には苦しみ、時には失望するけど、時には希望に溢れる」というチベット難民の新世代・サンジョルたちの生活実践を活写する。
序章 「難民」を生き抜くために
第1章 インドにおけるチベット難民とダラムサラ―調査地概要
第2章 「ダラムサラ・インターナショナル・エアポート」―移動に託す希望
第3章 つながりを作る―地域という集団範疇と共同性
第4章 負債のネットワーク―電子貨幣クマルを介したつながり
第5章 偶然を資源化する―賭け続ける経済活動
終章
社会経済的基盤を失って故郷を離れ、新しい地で居場所を作り上げなければならないチベット難民は、意外にも単なる脆弱な存在ではない。彼らはどのように生計を維持し、どのように人間関係を結んでいるのか、1年以上にわたるフィールドワークから難民たちの生き抜く姿を明らかにする。
常に変化しているという不確実性の中に生きる彼らは、むしろ物事をうまく操ることで未来を好転させられるという感覚から偶然に身を委ねる「賭け」の生き方にたどり着くほか、家族以外と築く仲間関係に影響を受けて第三国への再定住を決意する。モノやカネとともに環流する彼らの姿は、「難民とはなにか」を問い返してくる。
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