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[BOOKデータベースより]
“公害列島”時代、ヘドロの海目の当たりに育ち、夢見た百姓で30年。3・11原発から解き放たれ山川・田畑に降りた放射能という異物。共生するのはたやすいと?命あるものと向き合う百姓は今何を想う。
2011年(3月10日;3月14日 ほか)
[日販商品データベースより]2012年(請願に向けて;早熟な冬の破れ目 ほか)
2013年(身も心も暖まる話;三種の宝〜ひとつめ「ちのみち」の話 ほか)
2014年(あとは野となり山となる;どすこい、どすこい ほか)
2015年(憲法前文私案;以下不掲載 ほか)
2016/2017年(あけましておめでとうございます;一座建立 ほか)
百姓になって30年。
津波で崩れた原発神話。列島を覆い、
土や水と農の営みに降り注いだ放射能という異物。
3.11から9年。
命あるものと向き合う百姓は今、何を想う。
野菜とともに送られた『菜園だより』、2011年3月10日から7年分を掲載。
梨木香歩(作家)【推薦のことば】
これは正真正銘、本物の百姓が地球と対話しながら紡いできた、そういう言葉による本だ。
土から丹精された正直な作物のように、伊藤さんの言葉は実体験を通り、一滴一滴落ちてくる。
それは清澄な詩、強靭な哲学となってまっすぐに私たちの心と体に届き、胸に響く。
借り物の思想、虚しい言説が巷に溢れるなか、本物の怒り、絶望、そして甦る希望がここにある。
何より、自然とともに生きることへの、湧き上がるような喜びが!
私たちは、簡単には消えていかない。
(本文より)
2011年3月28日
原発から発する霧と皆の喧騒とで
互いの顔も見えず 声も届きにくい中
不安や怖れとが
霧をいっそう深めています
自分の身を守るのに精一杯で
無分別になっている人もいます
霧の中 深々と呼吸をして
百姓は静かな定点となります
私たちを測ってみて下さい
2011年 5月29日
放射能のいない夜
あれからあなたは 不安気で落着きもない
「放射能が聞こえる。すぐそばにいる」
と あなたは言う
私は「色々な野菜を作って、
香ばしいパンを焼こう」と言った
二人は畑を耕し 野菜と小麦の種をまいた
しばらくすると あなたはまた
「放射能がじっと見ている。聞き耳をたて、
私の肌にふれようとする」
と言う
私は「ぼくたちの時間で、放射能の
一つぶ一つぶを消していこう。
君は歌を。僕は楽しい物語を書いてみたい」
と言って 二人は眠りについた
今宵はこうして
放射能のいない夜になった