- 在庫状況:在庫あり(1〜2日で出荷)
[BOOKデータベースより]
古文テキストの教材化は、こうして行っている。『宇治拾遺物語』を手掛かりに、古典教育研究、古典文学研究の架橋を試み、生徒たちの古典教育を考える。誰のための本?古典教育研究と古典文学研究の相互疎外状況を感じている人に。これから教員になる人と、すでに教壇に立っているすべての人に。古文テキストの教材化の手順を知りたいすべての人に。
古典教育の課題
第1部 教材分析の方法―『宇治拾遺物語』の表現とその位相を考える(最新研究の調べ方―説話研究と『宇治拾遺物語』研究の現在;先行研究の調べ方―『宇治拾遺物語』の表現はどう分析されてきたか;表現を分析する―『宇治拾遺物語』の表現の実際;言語場を分析する―『宇治拾遺物語』が営まれた空間)
第2部 教材化の前に考えておきたいこと―古典教育の目標と古典教材を考え直す(中等教育における国語科教科書の中の古典教材の現状―説話教材を中心に;国語教育誌の中の“古典”―国語教室で創られる“古典”;公共性・主体・古典教育―50年代における益田勝実古典教育論;公共性・言説の資源・古典教育―60年代における益田勝実古典教育論)
第3部 教材化の構想―『宇治拾遺物語』を例に(教室の『宇治拾遺物語』;『宇治拾遺物語』の教材化にむけて;『宇治拾遺物語』の教材化案)
古文テキストの教材化は、こうして行う。
古典教育研究、古典文学研究の架橋を試み、生徒たちの古典教育を考える。
「古典を勉強する意味ってあるんですか?」近年、こういった問いに対して応答する人が増えてきました。
しかしその問いについて、古典文学研究者からの提言は「生徒の古典嫌い」をどう打開していくかに議論が集中し、教科書教材の面白い読み方、教科書に採録されていない古文テキストの紹介など、古典世界へのアプローチばかりが言い立てられています。そこでは「古典世界の奥深さ」「古典文学の魅力」など、古文テキストの価値は先験的に認めらており、学習の意義との回路が明示されることはありません。
古典文学研究者にとって古典教育の世界は、授業作り提案と実践報告、学習指導要領解説で埋め尽くされている、研究者が踏み込めない世界と映り、教員は時間的な余裕もなく、古典文学研究の細分化や領域拡張もあり、自らとの間のに切実さが見えないものと映ってしまっています。では互いの相互疎外状況を変えていくにはどうすればいいのか。
本書は、古典文学研究が明らかにしてきたものを生かし、古典教育研究や古典教育実践が明らかにしてきた古典教育の意義や目標と照合し、現在の古典教育をめぐる状況を踏まえながら、『宇治拾遺物語』を手掛かりに、教材化を試みた実践の書です。
第一部では、「教材分析の方法」として、『宇治拾遺』の表現分析の方法や観点を整理し、分析の実際を示します。第二部では、「教材化の前に考えておきたいこと」として、古典教材や古典教育実践の現状を示し、古典教育の目標や意義の検討を行います。第三部では、「教材化の構想」として、第一部、第二部を踏まえた『宇治拾遺』の教材化を試みます。
これから教員になる人と、すでに教壇に立っているすべての人に。古文テキストの教材化の手順を知りたいすべての人に。古典教育研究と古典文学研究の相互疎外状況を感じている人に。
【本書は『宇治拾遺』の教材化を提案するわけですが、この手順は古典文学研究と古典教育とを架橋した形で古文テキストを教材化する際の手順でもあります。テキストの何がどのような手法で明らかにされているのか、それと生徒たちとの接点をどこに見いだすのか、そのテキストは古典教育ではどのように扱われてきたのか、古典教育の目標や意義をどこに見いだすのか、それらを踏まえた上でテキストをどう教材化するのか。これが本書の手順です。もちろん、いつもここまで詳細にできるわけではありませんし、本書での「教材化」から実際の授業での「教材化」に至るには、ほかにも考慮すべき要素はあります。とはいえ、歩み寄ろうとしながらも「相互疎外状況」が深刻化している古典教育の現状を打破するために、本書の手順はモニタリングする際の観点の一つとして使っていた
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 守る学級経営
-
価格:2,200円(本体2,000円+税)
【2023年02月発売】
- 攻める学級経営
-
価格:2,200円(本体2,000円+税)
【2023年02月発売】
- 学級指導の言いかえ図鑑
-
価格:1,870円(本体1,700円+税)
【2024年02月発売】
- 教育の法と制度
-
価格:2,200円(本体2,000円+税)
【2014年04月発売】
- 新教育実習を考える 改訂版
-
価格:1,430円(本体1,300円+税)
【2017年04月発売】