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現象学的試論 MELANCHOLIE UND MANIE
みすず書房 ルートウィヒ・ビンスワンガー 山本巌夫 宇野昌人 森山公夫
点
本書は『精神分裂病』から3年後に発表され、前著がハイデッガーの理論を基礎においた現存在分析の方法で、分裂病者の世界を分析しているのに対し、フッサールの先験的現象学にさかのぼって現象学的方法で、うつ病と躁病者の世界を把握しようとする試みである。それは「精神医学的“実存形式”の“人間学的構造”の性格づけのみでは不十分であって、その世界の特性を、その構成に基づいて研究すること」であった。1920年代以後のフッサールの現象学が、精神医学に対してもつ意義を明確に示している。
うつ病(うつ病の過去視;うつ病の未来視;うつ病の苦悩、うつ病の不安、うつ病の自殺衝動)躁病(代表象と相互主観性に関するフッサールの学説;共同世界の構造のなかで、躁病者において機能を停止した諸契機の現象学的分析―代表象の障害にもとづいて;躁病における、代表象の一貫性と思考の一貫性の機能停止)躁病とうつ病(躁うつの背反性;フッサールの純粋自我論の、躁‐うつ背反性の本質了解に対して持つ意義)躁病、うつ病、精神分裂病の経験様式
ビンスワンガーは1881年スイスのクロイツリンゲンに生れ、1966年に84歳の生涯を終えたが、幼い日から精神病の患者と共に過ごした長い豊かな臨床経験と、つねに若々しい情熱をもって研究を進めてきた。『夢と実存』『精神分裂病』など、精神医学に新しい方向を切りひらこうとする意欲的な名著として、広く世界に紹介されている。本書は『精神分裂病』から3年後に発表され、前著がハイデッガーの理論を基礎においた現存在分析の方法で、分裂病者の世界を分析しているのに対し、フッサールの先験的現象学にさかのぼって現象学的方法で、うつ病と躁病者の世界を把握しようとする試みである。それは「精神医学的〈実存形式〉の〈人間学的構造〉の性格づけのみでは不十分であって、その世界の特性を、その構成に基づいて研究すること」であった。1920年代以後のフッサールの現象学が、精神医学に対してもつ意義を明確に示している。
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[BOOKデータベースより]
本書は『精神分裂病』から3年後に発表され、前著がハイデッガーの理論を基礎においた現存在分析の方法で、分裂病者の世界を分析しているのに対し、フッサールの先験的現象学にさかのぼって現象学的方法で、うつ病と躁病者の世界を把握しようとする試みである。それは「精神医学的“実存形式”の“人間学的構造”の性格づけのみでは不十分であって、その世界の特性を、その構成に基づいて研究すること」であった。1920年代以後のフッサールの現象学が、精神医学に対してもつ意義を明確に示している。
うつ病(うつ病の過去視;うつ病の未来視;うつ病の苦悩、うつ病の不安、うつ病の自殺衝動)
[日販商品データベースより]躁病(代表象と相互主観性に関するフッサールの学説;共同世界の構造のなかで、躁病者において機能を停止した諸契機の現象学的分析―代表象の障害にもとづいて;躁病における、代表象の一貫性と思考の一貫性の機能停止)
躁病とうつ病(躁うつの背反性;フッサールの純粋自我論の、躁‐うつ背反性の本質了解に対して持つ意義)
躁病、うつ病、精神分裂病の経験様式
ビンスワンガーは1881年スイスのクロイツリンゲンに生れ、1966年に84歳の生涯を終えたが、幼い日から精神病の患者と共に過ごした長い豊かな臨床経験と、つねに若々しい情熱をもって研究を進めてきた。『夢と実存』『精神分裂病』など、精神医学に新しい方向を切りひらこうとする意欲的な名著として、広く世界に紹介されている。本書は『精神分裂病』から3年後に発表され、前著がハイデッガーの理論を基礎においた現存在分析の方法で、分裂病者の世界を分析しているのに対し、フッサールの先験的現象学にさかのぼって現象学的方法で、うつ病と躁病者の世界を把握しようとする試みである。それは「精神医学的〈実存形式〉の〈人間学的構造〉の性格づけのみでは不十分であって、その世界の特性を、その構成に基づいて研究すること」であった。1920年代以後のフッサールの現象学が、精神医学に対してもつ意義を明確に示している。