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[BOOKデータベースより]
明治社会において、監獄は自らをどのように位置づけていったのか。近代化をめざした明治政府は、新しい国家体制や刑事法制などの整備を行う中で、多くの犯罪者を生み出すこととなった。そうした人びとを収容し、社会防衛と再社会化を図る監獄は、いかにして自らをかたち作り、受刑者の処遇を行ったのか。社会との相互作用に注目し、監獄行政の専門知形成と自立化の過程を描くとともに、それに立ち会った宗教への影響も分析する。
問題の設定と視角
[日販商品データベースより]第1部 明治期監獄行政機構の形成過程(外役から内役へ―北海道集治監での監獄作業および処遇方針の変容とその歴史的位置づけ;明治中期における監獄費国庫支弁問題とゆるやかな制度変化;明治二〇年前後における監獄改良―監獄行政の営為とドイツ監獄学の受容;巣鴨監獄の誕生―ある公共建築事業を政治史として)
第2部 監獄行政機構の確立と宗教(内務省と仏教教誨師―教誨制度における協調関係の実態;内務省の教誨政策と北海道集治監キリスト教教誨師;一九世紀末における監獄改良のグローバルネットワーク―小河滋次郎、留岡幸助の人脈形成;「監獄教誨」制度の確立と巣鴨監獄教誨師事件)
監獄行政機構の自立とその意義
明治政府は従来とは大きく異なる国家体制や法制度を整えながら近代化をめざした。明治の社会において、人びとは様々な自由と権利を獲得し経済発展による恩恵を享受した一方で、大きな社会変動にうまく適応できず、貧困に陥ったり、反政府活動や政治運動に身を投じたりするなどして犯罪者となり、監獄に収容されることも決して珍しくなかった。
かかる犯罪者を社会から隔離し、更生させ、再び社会復帰させる場としての監獄の諸制度も作られていった。新たな時代の監獄を、明治社会のなかでどのように位置づけていくのか。監獄行政に携わった人びとは試行錯誤を繰り返し、不平等条約の解消にも関わる国際的な水準を目指して改良を進めていった。
本書では、監獄行政の視点から社会との相互作用に注目し、明治期において監獄行政の組織やその仕組みがいかなるかたちで作られ、受刑者の処遇が行われたのかを考察する。明治の監獄は経済、議会政治、宗教、地域社会などとどのように関わりながら、専門性を獲得し、組織と行政運営の自立を確立させていったのだろうか。
第1部では、内務省内における行刑機構の形成過程に注目する。監獄行政が様々な課題、とりわけ財政問題の解決を図りながらいかにして専門知の獲得と行政の方向性を定めていったのか、北海道集治監での囚徒作業、監獄費国庫支弁問題、明治20年代前後の監獄改良事業および東京府の巣鴨監獄建築事業を題材にする。
第2部では、囚徒の精神的な改善を行う監獄教誨制度の確立過程を取り扱う。内務省は財政的自立化を進めながら、同時に国際的な監獄改良ネットワークに接続して専門知の形成も図っていた。監獄行政の中枢を担うようになる小河滋次郎、明治初年から篤志的に教誨に携わってきた東西本願寺、あるいは教誨の制度策定にも関わるようになる原胤昭や留岡幸助らキリスト者。これらの関係性の中から、いかなる監獄教誨制度が生まれ、それが行刑機構の確立にどう作用したのか。そして最後に、それに深く立ち会った宗教への影響についても考察する。