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[BOOKデータベースより]
札幌―「四つの風」の衝撃
[日販商品データベースより]旭川―チカプニコタンの暮らし
阿寒湖(女流画家との運命の出会い;阿寒の森を歩く)
鎌倉―澁澤龍彦の小宇宙
旭川―「風雪の群像」への反逆
音威子府―辺境芸術村の誕生
カナダ―「樹気」の発見
ハイダ・グアイ―ハイダ族の教え
網走―ワタリガラスの道
横浜―壮絶な王の死
洞爺湖―ビッキ、追憶の旅
諏訪―縄文のつたえ
異能のアイヌ彫刻家が問いかけるもの
没後30年。砂澤ビッキという異能のアイヌ彫刻家を再評価する機運が高まっている。
自然に対する畏怖、森の樹々がもつ精との交感、それらが自らの創作意欲と交合して1本のトーテムポールとなる。風雪で倒れても修復はしない。朽ちて自然に還っていくことが作品の使命だとばかり、まるで放置されたように横たわっているものもある。
本書は地元の北海道からカナダ、鎌倉まで丹念に取材し、差別の中で才能を開花させていくこのビッキの足跡を、紀行作家が丹念に描いたドキュメンタリーである。
ビッキは阿寒湖畔で土産物の木彫りに従事しているとき、ある女性と邂逅。鎌倉に移住し、モダンアート展に絵画を出品して入賞するが、すぐ彫刻に専念、北海道の音威子府村に廃校となった筬島小学校跡をアトリエにして活動の拠点にする。この女性こそ武田泰淳の小説「森と湖のまつり」のモデルになった、当時澁澤龍?の恋人、山田美年子だった。
ビッキの背中を押したのは鎌倉文化人たちだったが、ビッキも自分の才能を信じた。「北海道の針広混合樹の豊かな森がビッキの魂を揺さぶり、その巧みな芸術で民族の血をよみがえらせた」と著者はいう。読み応えある1冊で池澤夏樹氏も推薦文を寄せている。