[BOOKデータベースより]
雨が好きだったのに、雨がきらいになった。傘を打つ、ぽつぽつという雨音が耳について、ほかの音を消してしまう。後ろからクラクションを鳴らされて、よけたつもりが逆になり、車が急ブレーキをかけた。ぶつかる寸前だった―。「バカヤロー、なにやってんだ!」運転していたひとは、雨が降っているのに窓を開けて怒鳴った。突発性難聴で左耳が聞こえなくなった中学二年生の結。戸惑いや不安をかかえながら、結が決めたこととは―日本児童文学者協会「長編児童文学新人賞」入選。
[日販商品データベースより]突発性難聴をわずらった中学二年生の結は、耳が不自由になったことを親友にも打ち明けられずにいた。そんな悶々とする日々のなかで、両耳のまったく聞こえない今日子さんや、手話サークルとの出会いをつうじて、新しい一歩を踏み出していく。
日本児童文学者協会、第17回長編児童文学新人賞受賞作。
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中学2年の始業式の朝、結の耳鳴りが始まった。一月経っても消えないので、母に告げ病院に行くと突発性難聴と診断される。病院を替えながら2ヶ月治療に通ったものの、回復は難しいと診断される。友人にも伝えられぬまま、不自由さと疎外感と不安に押しつぶされそうだった彼女は、公園で楽しそうに手話会話する姿を見て、関心を持ち、サークルに見学に行く。そこで突発性失聴の今日子と出会い、彼女の理解とたくましさに救われるのだった。
片耳の難聴に悩みながらも、それを機会に聴覚障害者の世界を知り、成長する少女の姿を描く物語。
*******ここからはネタバレ*******
YA世代の本には設定がとても複雑なものが多いですが、この本は実にシンプル。主人公の悩みは自らの難聴に対する不安とそれに伴う人間関係。
それだけに前半の、難聴が回復不可能と診断されるまでの過程に胸が痛みます。
反面、もう治らないとわかった後の悩みは人間関係で、傍目からはわかりにくいし、自分でも何をどうしてもらったらいいのかわからないもどかしさが伝わってきます。
聴覚障害者の世界を知った後の彼女は、非常にたくましくなって、理解者を得ることの大きさがわかります。
シンプルで、かつ、聴覚障害者の教科書みたいなところもあって、物語としては物足りないかも知れませんが、主人公は中学生だし、私は、こういうのもアリじゃないかなって思います。(図書館あきよしうたさん 40代・広島県 )
【情報提供・絵本ナビ】