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【2019年12月発売】
[BOOKデータベースより]
若くて無知…お前にお似合いだ。現実を見たくないから、変化が怖いから、あるいは核心にあまりにも近づきすぎたから、人は体裁を繕う。ドイツの大ベストセラー日本上陸!
1 完璧な愛という幻想(何をもって愛と言うのか;友達のままでいようよ;別れについて考えよう;ミングルと人について;僕はセックスをやりすぎた;性倫理学上、混乱の傾向;恋愛関係は誠実さにどのくらい耐えられるのか;新生男子;チャーミング的;「真の愛なんて単なる神話」)
[日販商品データベースより]2 30歳は新しい20歳(僕のなかの一二歳;「男は熟し、女は萎びる」;僕たちでなくて、いったい誰が?;「スティフレンズ」の世界の中で;ベルリンは「ベルリン‐ターク&ナハト」にあらず;「いくら積み上げたって、クソはきれいにはならないわよ」;音楽がうるさくなったとき;「若くて無知―お前に似合いだ」)
私がスイスに移り住んだのは30年前、その当時からヨーロッパでは結婚年齢が上昇傾向にあった。当時の日本では、25歳を過ぎた未婚女性は「26日のクリスマスケーキ」などと言われ、少々肩身の狭い思いをしたものだ。だが、今や日本も男女ともに結婚年齢は上がる一方だし、すでに30年前のスイスではごく普通のこととなっていた事実婚や、生涯結婚しない人の数も増えていると聞く。つまり、日本のライフスタイルがヨーロッパに近づいてきたということだろう。
本書の著者ナストは1975年生まれのドイツ人男性。日本ではバブル崩壊後の就職氷河期に社会に出た「ロスジェネ」と呼ばれる世代と同年代にあたる。彼は年の近い知人や友人から聞いた話を糸口に、ドイツ社会や自分たちの世代が抱える問題(人間関係・恋愛・結婚・キャリアをめぐる悩みやとまどい)を綴っていくのだが、その語り口はざっくばらんでユーモアたっぷりだ。しかし、うわべにとらわれた人生観やトレンドに身を任せたライフスタイルを観察する目は鋭い。
本書の観察や分析は、おそらく誰もがふと考えたことがあって、しかも口にするのがはばかられるようなものが多い。そのせいだろう、はじめウェブマガジンで公開された時は、サーバーがパンクするほどの閲覧数を記録したという。大勢が言葉にできずにいた思いを、著者が代弁したというわけだ。
文化や歴史の違いはあるものの、同じ工業国として日本とドイツの置かれた状態には類似点が多く見られる。少子高齢化とそれにともなう結婚形態の問題もかなり共通している。本書を読んで思わずうなずき、共感を覚える方は多いはずだ。ベルリンの雰囲気をお伝えするため、原書にはない風景写真を多く掲載したので、目も楽しませつつ、ドイツを一種の鏡として日本社会の問題を考えていただけたらうれしい。(こやま・ちはや 翻訳家)