- 奈良絵本集 三
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- 価格
- 36,300円(本体33,000円+税)
- 発行年月
- 2019年04月
- 判型
- A4
- ISBN
- 9784840695756
[BOOKデータベースより]
小伏見物語
ひだか川
[1]小伏見物語(江戸初期写、三冊)
〔解題〕金光桂子
たかみちの中将と小伏見姫の悲恋譚。『桜の中将』の異本とされ、本文が揃った写本としては、本書の他に国会図書館蔵『桜の中将物語』と赤木文庫蔵『こふしみ』の二本を知るのみである。ただし、その内容は全く異なる結末を有している。中将の父によって仲を引き裂かれた小伏見姫は難波の浦で病に倒れるが、国会図書館蔵本では霊薬により姫が蘇生し、中将と末永く結ばれる。それに比して、本書並びに赤木文庫蔵本では姫の死を知った中将も無常を感じ仏門に入るのである。横本形式の慶長期と見られる奈良絵本は珍しい。
[2]ひだか川(江戸初期写、一冊)
〔解題〕石川透
安珍・清姫で知られる道成寺縁起を骨子に、主人公の名を賢学とする『賢学草子』系統の伝本。本書は、三井寺の僧賢学が前世の因果により、結ばれるとお告げに聞いた娘の存在を確かめるべく、遠江国橋本宿に辿り着いたところから始まる。賢学は、この地の幼い姫がお告げに聞いた娘と思い、殺そうと斬りつけ逃げたが、姫は一命を取り留める。数年後、清水寺で賢学は美しい姫と出会い、結ばれるも、過去に殺そうとした姫だと気づいた賢学は熊野へ逃げ、追いかける姫は日高川でその姿を大蛇へと変える。道成寺縁起の結末では法華経の功徳を説くが、本書では寺の名もなく、男女の悲劇として物語を終える。
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