「神国」の正統論

『神皇正統記』受容の近世・近代

ぺりかん社
齋藤公太　

• 価格: 7,040円（本体6,400円＋税）
• 発行年月: 2019年02月
• 判型: Ａ５
• ISBN: 9784831515322

内容情報

[BOOKデータベースより]

日本の本来性と天皇の統治とを結びつけた歴史的概念としての「正統」の語り方とその行方。

１（「神国」の「正統」―『神皇正統記』の思想構造；「南朝」のあとで―近世前期までの『神皇正統記』の受容史；「虚器」と「共主」―山鹿素行と新井白石の『神皇正統記』受容）
２（「神器」と「正統」―闇斎学派の南朝正統論；本来性をめぐる闘争―前期水戸学における神器論争；「神書」と「古典」のあいだ―垂加派における『古事記』研究）
３（「神道」から「古道」へ―『弁道書』以降における「神道」の再解釈；「国体」の興隆―後期水戸学における『神皇正統記』の受容；「神国」の近代―明治国学と『神皇正統記』）

[日販商品データベースより]

南北朝時代、南朝方の北畠親房によって著された史書『神皇正統記』。井上毅は明治憲法の起草にあたり『正統記』に依拠している。彼の主張する「正統」概念は、支配秩序や教義的世界観に由来するものではなく日本の本来性と天皇統治を結びつけた歴史的概念であった。近世から近代に至るまで最重要の古典と看做された『正統記』に加えられた多様な解釈の諸相を跡付け「正統」の権力が強化されていく過程を分析した意欲的研究。