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[BOOKデータベースより]
ジャンルやメディアの区分が消滅しつつある現代において、オリジナル/ソースに忠実であるという規範はどこまで有効なのか。文学や諸芸術における翻訳・アダプテーションの持つ意味を横断的・重層的に考察することで、新たな倫理問題を提起する。
第1部 翻訳の倫理(馴化された翻訳と澁澤龍彦―法律、政治と文学;ポール・ヴァレリーの翻訳体験をめぐって―ウェルギリウス『牧歌』仏語韻文翻訳から『樹についての対話』執筆へ;ミラン・クンデラと自己翻訳―フランスを介した「一般化」から読み解く作者の意図;削除と伏字―谷崎潤一郎と窪田空穂の『源氏物語』現代語訳;事態把握と翻訳―認知言語学から見た逐語訳とアダプテーションの間)
[日販商品データベースより]第2部 アダプテーションの倫理(法の侵害か、モラルの侵犯か―映画『ノスフェラトゥ』と原作『ドラキュラ』をめぐる考察;芥川龍之介と黒澤明の貸借対照表―映画『羅生門』におけるアダプテーション再考;二つの「伊豆の踊子」―翻案(アダプテーション)としての映画;ヌマンシアのアダプテーション―ローマ帝国からセルバンテス、そしてナショナリズムへ)
第3部 アダプテーション研究の可能性(ジェスの「トランスレーションズ」―あるいは創造的な共謀へのいざないについて;ル・ボン「民族心理学」の東アジアにおける受容―李光洙・夏目漱石・魯迅を中心に;古代庭園文化の受容と翻案―寝殿造庭園と「名所」の発生;もの言う農民作家―閻連科の小説に見る倫理;動物と私のあいだ―中上健次『熊野集』「熊の背中に乗って」「鴉」)
文学や諸芸術における翻訳・アダプテーションの持つ意味を横断的・重層的に考察することで、新たな倫理問題を提起する。