- 経済理論の終焉
-
金融危機はこうして起こる
ウィザードブックシリーズ 273
パンローリング
リチャード・ブックステーバー 長尾慎太郎 井田京子- 価格
- 3,080円(本体2,800円+税)
- 発行年月
- 2019年02月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784775972373
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金融危機はこうして起こる
ウィザードブックシリーズ 273
パンローリング
リチャード・ブックステーバー 長尾慎太郎 井田京子
[BOOKデータベースより]
第1部 序論(危機と黒点;人間であること)
[日販商品データベースより]第2部 ヨハネの黙示録の四騎士(社会的相互作用と計算既約性;個人と人波―創発現象;文脈とエルゴード性;人間の経験とラジカル(根源的)な不確実性;ヒューリスティクス―人間らしく行動する方法)
第3部 過去と未来のパラダイム(危機における経済学;エージェントベースモデル;複雑性の世界のエージェント)
第4部 金融危機のためのエージェントベースモデル(金融システムの構造―エージェントと環境;流動性と暴落;エージェントベースで見た二〇〇八年の危機)
第5部 経済理論の終焉(それは数字か、それとも物語か―説明ツールとしてのモデル;結論)
エージェントベースモデルは危機回避の救世主!
経済学者の考える経済理論では金融危機に対処できない!
「経済理論」というカルトに憑りつかれた経済学者たち
経済学はどうしてこうも当たらないのか
私たちの経済は大不況から回復したかもしれないが、経済学はしていない。世界有数のリスクマネジャーであるリチャード・ブックステーバーは、本書で人間のありようと、この世界の根本的な不確実性を考えれば、標準的な経済モデルとその前提である経済理論では金融危機に対処できない理由を述べている。それでは代わりのモデルはあるのだろうか。ない! 少なくとも、過去200年間に使われてきたモデルのなかにはない。そこで著者はエージェントベース経済学と呼ばれる新たな手法を提案している。これは、私たちが通常、経済学で想定する「オートマトン(最適な行動をとる人)」ではなく、「普通の人間」だという事実からスタートしている。
ブックステーバーが提唱する画期的なパラダイムによって、これまでよりもはるかにうまく危機を防いだり、発生してしまった危機をよりよく管理したりすることができるようになるだろう。彼が述べているように、私たちの多様な記憶や想像力は、各人の経済行動に予想外の変化をもたらす。エージェントベースモデルは、既存の経済学の手法に見られる機械的で非現実的な構造をなくし、このようなニュアンスを含めることができるのだ。彼はこれを使って、根本的な不確実性(予想を超える状況になったとき)や緊急事態(無害な日々の相互作用が組み合わさって突然混沌となる)などの問題に取り組んでいる。まず、将来の危機を過去から予測することはできないという点から、ブックステーバーはマーケットの現実に注意を向け、人間が起こすことを「語り」という形で認識する方法を提案している。
20世紀における経済学の失敗はさておき、本書は新しくて革新的な見方と、より現実的で人間的な枠組みを提供することで、今日の金融システムが再び破綻するのを阻止する試みでもある。本書は刊行と同時に古典となった!