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[BOOKデータベースより]
戦後民主主義とそこから生ずる偽善と詐術は、アメリカの占領と共に終わるだろうと、考えていた私はずいぶん甘かった―。自刃の四ヵ月前にこう記した三島由紀夫が、戦後のはじまりに見てしまった決定的な欺瞞とはいったい何だったのか。天皇制と民主主義、対米従属と国粋主義。戦後日本の矛盾を見抜いた三島の先駆性とは。
第1章 見てはならないものを見た―“諫死”に向かう二十五年
第2章 天皇への反歌―『近代能楽集』をめぐって
第3章 禁じられたエロスと戦後日本の宿命
第4章 サド侯爵と天皇裕仁―“共犯”から訣別へ
第5章 諫死もしくは天皇霊を奪い取ること
第6章 三島由紀夫を遠く離れて