
ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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北区の太
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キツイ
東大を頂点とするスクールカーストを題材にした一冊であるが、加害者の東大生たちの鼻もちならないエリート意識と自己愛、被害者の純真な性格がこれでもかと、悪と善に両極化されて描かれ、善として描かれている被害者にどのような運命が待ち受けているのかは冒頭から読めてしまうので、彼女が可哀そうで、序盤は読み進めるのが正直キツイ。被害者をはじめとする女性たちが、何故こんな自己中の奴らを、単に東大生というだけで尊敬し近づくのか理解出来ず(中には打算で近づく女性もいるが)、途中で何度も読むのを投げ出したくなった。しかも、この東大生たちの親もひどい俗物。救いは被害者が通う学校の学長さんと、加害者の中で一番悪質であった東大生の兄が、常識的な振る舞い・発言をしていること。しかし、多かれ少なかれ、人は誰でも他者への優越感・劣等感双方を持ちあわせていて(この作品の中の東大生のほとんどは非常に能力が高く優越感しか持ち合わせていないようだが)、それをここまで赤裸々に描かれると、誰でも1つや2つ、思いあたることがあると思うので、そういう点からも読み進めるのがキツイ。ただ、後半からはこの人を人とも思わない東大生たちに、どのような鉄槌が下るのか見たさに、読むのがやめられなくなる。イヤミスの女王の面目躍如の一冊。
[BOOKデータベースより]
横浜市郊外のごくふつうの家庭で育ち女子大に進学した神立美咲。渋谷区広尾の申し分のない環境で育ち、東京大学理科1類に進学した竹内つばさ。ふたりが出会い、ひと目で恋に落ちたはずだった。渦巻く人々の妬み、劣等感、格差意識。そして事件は起こった…。これは彼女と彼らの、そして私たちの物語である。
[日販商品データベースより]私は東大生の将来をダメにした勘違い女なの?
深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。
現実に起こった事件に着想を得た衝撃の書き下ろし「非さわやか100%青春小説」!
横浜市郊外のごくふつうの家庭で育った神立美咲は女子大に進学する。渋谷区広尾の申し分のない環境で育った竹内つばさは、東京大学理科1類に進学した。横浜のオクフェスの夜、ふたりが出会い、ひと目で恋に落ちたはずだった。しかし、人々の妬み、劣等感、格差意識が交錯し、東大生5人によるおぞましい事件につながってゆく。
被害者の美咲がなぜ、「前途ある東大生より、バカ大学のおまえが逮捕されたほうが日本に有益」「この女、被害者がじゃなくて、自称被害者です。尻軽の勘違い女です」とまで、ネットで叩かれなければならなかったのか。
「わいせつ事件」の背景に隠された、学歴格差、スクールカースト、男女のコンプレックス、理系VS文系……。内なる日本人の差別意識をえぐり、とことん切なくて胸が苦しくなる「事実を越えた真実」。すべての東大関係者と、東大生や東大OBOGによって嫌な思いをした人々に。娘や息子を悲惨な事件から守りたいすべての保護者に。スクールカーストに苦しんだことがある人に。恋人ができなくて悩む女性と男性に。
この作品は彼女と彼らの物語であると同時に、私たちの物語です。